2024年猫の日 みんなで考える動物愛護 開催レポート

この記事の目次

 2024年2月22日猫の日〜23日に「みんなで考える動物愛護」イベントを開催 

みんなで考える動物愛護を開催しました。

動物たちの命を考えるきっかけに

nekozukiを運営する猫用品メーカー株式会社クロス・クローバー・ジャパンと、動物いのちの会いわてが主催

nekozukiを運営する猫用品メーカー株式会社クロス・クローバー・ジャパン(盛岡市)と、動物いのちの会いわて(雫石町)は2024年2月22日猫の日〜23日にアイーナ(盛岡市)にて「みんなで考える動物愛護」のイベントを開催しました。

» 「みんなで考える動物愛護」イベントの概要はこちら

絵の描き手ボランティアプロジェクトが発展し、企画を相談して開催することになった

岩手の大学生ボランティアの作品

このイベントは昨年の秋頃から企画を相談しておりました。というのも岩手県の大学生ボランティアと始めた動物愛護団体へ寄付のお礼に絵を届けるという「絵の描き手ボランティアプロジェクト」の絵画が百枚を超えたこと、描き手の大学生が4年生で卒業する方もおり、卒業前に何かカタチにしたいとずっと考えておりました。

猫の日も1つのきっかけとなり、動物いのちの会いわての代表下机さんに相談をし、この企画を一緒につくりあげました。

» 絵の描き手ボランティアプロジェクト「チャリティー絵画」の詳細はこちら

» これまでに届けられた絵画作品はこちら

イベントでは絵の展示と講演を実施

動物いのちの会いわての活動歩みと里親さんの暮らしを講演してもらう

動物いのちの会いわて 下机さんの講演のようす

絵を展示するだけではなく、なぜ動物愛護団体とこのような取り組みを始めたのかを知っていただくため、同会24年の活動の歩みと講演を下机さんにお願いをしました。

絵の描き手ボランティア大学生のお話を通じて取り組みの意義を伝える

会は2000年の活動開始からこれまで、岩手県内を中心に6000頭の犬猫を譲渡し、たくさんの里親さんがいらっしゃいます。里親さんご自身が元保護犬・保護猫を家族に迎え、現在どのような生活を送っているか、絵の描き手ボランティアには普段どんな気持ちで取り組んでいるか、プロジェクトに参加してどのような変化が起きたかなどお話しいただきました。

動物愛護についての標語募集も行い、全国から多くの応募を集める

動物愛護の標語 授賞式の様子

動物愛護について「あなたの想いを言葉に」をテーマに標語の募集を2023年11月頃から開始しました。主催イベントは初めてで、どのようにして皆さんに知っていただくか不安だらけでしたが、ボランティアさん、学生さんのみなさま、多くののメディアの皆さんのご協力もあり全国から多くの標語が集まりました。本当にありがとうございます。

動物愛護の標語3部門 入賞作品をご紹介します

犬猫への心温まる標語、ハッとさせられる標語など全国から475件の応募がありました。
特に応募の多かった一般の部では、審査員の中でも選考に苦慮したため、急遽、審査員特別賞を用意させていただきました。今回は入選された標語をご紹介いたします。

小学生以下の部

動物愛護の標語 小学生の部

中高生の部

動物愛護の標語 中高生の部

大学生一般の部

動物愛護の標語 大学生一般の部 優秀賞・佳作 動物愛護の標語 大学生一般の部 審査員特別賞

標語審査員の紹介

標語審査委員長 佐々木 一弥 様
岩手大学名誉教授 佐藤 れえ子 様
松園動物病院院長、動物いのちの会いわて顧問 山手 寛嗣 様
岩手県立大学 学生支援本部 准教授 高瀬和実 様
岩手県 環境生活部 県民くらしの安全課 食の安全安心課長 千葉正 様

審査員4名と下机さんと太野による標語審査会の様子

※審査員の岩手県立大学 学生支援本部 准教授 高瀬和実 様は、都合が合わず事前審査いただきました。

雪が降る中でも多くの来場者が訪れた

イベント当日は、あいにくの雪で足元も悪い状況でしたがたくさんの方にご来場いただきました。

里親さんが犬猫の暮らしについてお話し、愛護活動の大切さが伝わる

8人の里親さんに現在の犬猫の暮らしについてお話いただきました。本当にいい出会いがあって良かったなって言うのと今、本当に大事にされて幸せに暮らしている様子を知ることができ保護当時の表情と現在幸せに暮らしている様子というのは動物の表情からよくわかりました。また皆さん口々におっしゃっていたのが「助けたつもりが自分自身が動物に助けられた」ということをおっしゃっていたのが印象に残っております。

「うちの子は今」里親さんの講演内容

1.小田文枝さん「一家の主ししゃもちゃん」

2.黒沢雄幸さん・黒沢京子さん「保護犬ヌックちゃんとの4年間」

3.櫻井みゆきさん「うちの福ちゃん」

こんにちは、猫1匹と一緒に暮らしている櫻井です。どうぞよろしくお願いします。私の家には、2017年に飼育放棄された高齢者の猫を引き取り、その後も猫を何匹か迎えています。その中の一匹が、2018年5月13日、母の日に医大前で出会った猫です。元々は「ミルク」という名前でしたが、うちに来て「福」と名付けました。福はとても静かで、初日からソファーの上で穏やかに過ごしてくれました。数日で家に馴染み、お気に入りの毛布でくつろぐ姿を見ると、本当にうちの一員になったなと実感しました。

福は今5歳で、うちに来てから3年が経ちました。窓辺で日向ぼっこをするのが大好きで、よくそこで爆睡しています。写真を見ると、その愛らしさに親バカ心がくすぐられますね。また、リビングの日当たりの良い場所には、福専用の椅子を置いてあります。そこも特等席です。

福は岩合光昭の「世界ネコ歩き」を見るのが好きで、特に鳥が出てくると画面に釘付けになります。鳥の声には特に興味を示し、画面に近づいて熱心に観察しています。孫たちが遊びに来ると、普段は大人しい福も一緒になって遊ぶようになりました。しかし、始めの頃は子どもたちを怖がって隠れてしまうこともありましたが、徐々に慣れてきて、今ではみんなと一緒に過ごしてくれるようになりました。

福は私たち家族にとっても大切な存在です。福がいることで家庭がより温かく、楽しい場所になりました。福との日々は、私たちにとってかけがえのない時間です。以上、福との生活についてのお話でした。どうもありがとうございました。

4.舘洞佑香さん「チョコの日常」

今日は、私たち家族が保護犬として迎えたチョコについてお話しします。チョコは、以前の飼い主さんが高齢で施設に入所されたため、私たちの元にやってきました。その経緯を知り、私たちは保護犬を家族に迎える決心をしました。

チョコを迎えた当初、かなりリラックスしていて、新しい環境にもすぐに慣れてくれました。家の中ではケージの中で過ごすこともありましたが、外での散歩を特に楽しんでいたようです。しかし、来てから4ヶ月5ヶ月が経った頃、チョコの健康に少し問題が生じ始めました。夜間に元気がなくなることがあり、検査をしても原因がはっきりしませんでしたが、時間が経つにつれて徐々に改善しました。現在、チョコは16歳ぐらいで、日常生活を楽しんでいます。

毎朝、近所の秋田犬と挨拶を交わし、のんびりとした時間を過ごしています。昼間は家でゆっくり過ごしたり、私たち家族との時間を楽しんでいます。特に夕方、家族が帰宅する時間がチョコにとっては一番の楽しみのようです。

チョコが我が家にやってきてから、私たち家族にとって多くの喜びと癒しをもたらしてくれました。彼のおかげで家族の絆も深まり、毎日がより豊かなものになりました。チョコの誕生日は7月10日に定め、毎年、健康と長寿を祝っています。

このように、チョコは私たちにとってかけがえのない家族の一員です。これからもチョコとの日々を大切にし、共に幸せな時間を過ごしていきたいと思います。ありがとうございました。

5.村山木の実さん「どんな事にも負けず前に進むリアンちゃん」

6.澤井高志さん「高齢者とペット」

7.植野広美さん「綱雪はラッキーセブン」

8.川口浩範 さん「つみれ日記」

絵の描き手ボランティアのお話では、メッセージを込めながら描くことが示唆される 

絵の描き手ボランティア大学生のお話では、絵を書くときに、ただ絵を書くだけではなく、依頼者の方と動物たちの生活を想像しながら、絵にどういったメッセージを込めるかという深いところまで考えながら描いていることも知りました。この取り組みを通して大学生の皆さん自身にも起こった変化も実際にお話いただき、本当にこのプロジェクトを立ち上げてよかったなと思いました

絵の描き手ボランティアの講演内容

1.元野和香子さん「ボランティア活動を通じて得られた動物愛護への想い」

はい、こんにちは。私は岩手県立大学社会福祉学部の4年生で、就職が決まっていますが、ボランティア活動もまだ続けています。今日は、ボランティアに参加したきっかけや、そこから得られた成長について話したいと思います。

実家では4匹の猫と一緒に暮らしていて、これまでも捨て猫を保護してきました。猫たちとの生活から多くを学び、特に保護猫に対する関心が高まりました。ボランティア活動を通じて、猫たちの絵を描くことが多く、その際にはその猫のストーリーを想像しながら描いています。受け取った絵の依頼者からの感想は、私の作品がどのように役立っているかを実感し、大きな励みになっています。

保護施設を訪れた際には、多くの犬猫が保護されている現状を目の当たりにし、ショックを受けました。日本でのペットの殺処分の問題や、捨てられるペットの問題についても私たちは動物愛護に対する意識を高め、一人一人が責任感を持って行動することが重要だと考えています。

このボランティア活動を通じて、私はたくさんのことを学びました。一人では難しいことも、共に努力することで大きな目標を達成できると実感しました。また、動物との出会いからは、彼らが平等に愛される社会の実現への希望を持ちました。

最後に、今後もこの活動を続けていくこと、そしてもし機会があれば、積極的に動物愛護に取り組んでいきたいと思います。最後までお聞きいただき、ありがとうございました。

2.平柳美陽さん「今回のボランティアを通して」

皆さんこんにちは。私、平柳は今回、ボランティア活動を通じて得た経験についてお話しします。私は動物、特に猫に非常に興味がありますが、実際に飼ったことはありません。幼い頃に家で飼っていた猫が事故で亡くなった話を祖父から聞いたことが、動物への関心を深めるきっかけとなりました。

大学に入ってから、私は「猫の描き手プロジェクト」のボランティア活動に参加しました。この活動では、依頼者様の愛猫との思い出を作品にしています。このプロジェクトを通じて、遠くからしか見ていなかった動物たちとの距離を縮めることができ、非常に充実した時間を過ごすことができました。絵を描くことは私に自信を与え、日常のストレスから解放してくれます。また、動物たちを助けることができることに大きな喜びを感じています。

私が描いた作品には、イチゴや葉牡丹など様々な植物を取り入れ、依頼者様に向けたメッセージを込めています。これらの作品を通じて、動物への愛情を表現しています。

また、私は動物愛護について深く考える機会を得ました。旧約聖書に登場するノアの箱舟の話から、人間と動物が共存する大切さを学びました。ビーガンに関する話題など、動物愛護に関連する様々な視点から、人間と動物の関係を考え直すことが重要だと感じています。

このボランティア活動を通じて、動物たちとの新たな関わり方を学び、私自身の成長にも繋がりました。将来的にも動物たちと関わり続け、彼らのためにできることを模索していきたいと思います。今回の経験を通じて、動物たちへの深い愛情と、人と動物の共存の大切さを再認識しました。ありがとうございました。

3.菅原来さん「猫の手」

本日は、岩手県立大学の菅原です。よろしくお願いします。参加の動機は、一昨年の年末にサークルを通じて案内があったからです。高校時代、同級生から猫を頼まれたことがありますが、その時は断りました。結局、猫は他の人に託されましたが、その経験から、私は自分にできることで何かを助けたいと思い参加しました。

猫に関しては、昔から「猫の手も借りたい」という言葉があるように、役に立つこともあれば、ただ面白いだけのこともあります。私が子供の頃、近所に猫屋敷があり、老夫婦が多くの猫を飼っていました。その飼育状況は今思うと疑問が残りますが、当時は単純に猫がかわいいと思うだけでした。

現代の猫は不妊や去勢が一般的になっていますが、これは繁殖を抑えるための措置です。日本では弥生時代から猫がいたとされていますが、家猫の起源は平安時代にさかのぼります。江戸時代にはネズミ駆除に活躍していましたが、猫が繁殖しないために貴重な動物とされていた時代もあります。

しかし、戦時中や高度経済成長期には、猫の扱いが変わりました。猫が捨てられる事案が発生し、戦争中は猫を飼うことが贅沢だと批判されることもありました。その結果、多くの猫が毛皮や食料として利用されてしまいました。

今日、私たちは猫に癒しを求めていますが、猫が本来の生活を送ることができるかどうかは疑問です。猫の手を借りるだけでなく、人の手で猫が生きやすい環境を作ることが重要です。これが私がお伝えしたい内容です。

動物いのちの会いわての代表の熱意に感銘を受ける 

下机さんのお話を聞くと、本当に頭が下がる思いでした。24年もの間、この活動に情熱を持って取り組んでらっしゃるその原動力が、もう本当にただただ純粋に動物を救いたいという一心で行っていることを再確認することができました。

イベントを通じて動物愛護の思想の普及やサポート者の増加を目指す

多くの方に、どういった気持ちで活動しているか、また会の現状を知っていただく機会を作り、保護活動を応援してくださる方や、サポートしてくださる方をこうしてどんどん増やしていきたいと思いました。

詳細につきましては皆さんの講演内容を随時動画と記事でアップして行きますのでそちらをご覧ください。

初めての動物愛護イベントでわからない部分もあり準備に手間取り、多くの方にご迷惑をおかけしながら、また多くの方に支えられながら開催することができました。

ご来場者の方々の感想をいくつか紹介します。

来場者 来場者

本日の絵画展見てきました!大学生の方の講演も聞いてきました。考え方がしっかりしていて素晴らしかったです。僅かですが募金させてもらいました。我が家の猫の展示をしていだだきありがとうございました!

来場者 来場者

素晴らしいイベントでした。会場の雰囲気も展示もお話も、本当に素晴らしかったです。思わず感涙でした。今後も是非、こうした取り組みを継続していただきたいと願います。

講演いただいた里親さん講演いただいた里親さん

孫と2人で大好きな動物のための愛護イメントに参加させていただきありがとうございました。忘れられない私の宝物となりました。 私が日々頑張っていられるのはいつも動物達がそばに居てくれたからだと思っています。動物は家族以上の存在です。動物が好きすぎる私です。孫は3社からインタビューを受けていましたが孫は初めてだったので何も答えれないでいました。発表はあがらなかったけど聞かれた事にどういうふうに答えるのか分からなかった と 言っていました。でも良い経験になったと思います。 ありがとうございました。

大学生ボランティア大学生ボランティア

年代の違う人同士が動物に対してどんな思いを持っているのか、またボランティアに取り組む姿勢についてなど様々なことを学び、改めて自分が動物とボランティア活動両方にどう向き合うべきか考える一日となりました。 標語も大変楽しく拝見しました。 「飼う責任」「命」という言葉が多く出てきたように思います。 私にとって「飼う責任」とは、命を育て、守り、自分と対等に扱うことです。今の私にそれができているのか、振り返るきっかけになりました。 命は必ず老い、それに伴ってお世話をする時間の割合が増えていきます。 宿泊や数日間家をあけることが難しくなり、自分の優先順位をある程度下げることも多々あります。 命を飼うとはその覚悟を持てるかどうかだと、今回のボランティア活動を通じて強く再認識しました。 また、私たちが描いた絵も丁寧に展示していただき誠にありがとうございました。 絵画展については、作品のフィードバックをいただいて非常に感動しました。 一筆一筆を、猫ちゃんワンちゃんのごはん一粒一粒だと思って、今後の活動に取り組んで参ります。

感想を見て、岩手での動物愛護が進むことを期待し、殺処分ゼロを願う

こういった声を見るとうれしいです。岩手に動物愛護の思想がもっと根付いて、殺処分されるような動物がいなくなること、また一度飼った動物は終生飼育を徹底し捨てられる命がゼロになることを切に祈ります