
2025年6月11日(水)nekozukiは岩手の大学生ボランティア4名とともに、岩手県で最大規模の動物愛護団体「動物いのちの会いわて」さまを訪問し、皆さまからお預かりした寄付金284,150円をお渡しいたしました。
この寄付金は、2024年3月〜2025年2月までに集まった、チャリティー絵画プロジェクト及び、チャリティーグッズの収益によるもので、保護犬猫たちの医療費やフード代などに全額活用されます。
この記事の目次
ネコの描き手ボランティアプロジェクトとは
「動物いのちの会いわて」では、常時およそ300頭の犬や猫が保護されています。
このチャリティープロジェクトが始まったきっかけは、私(太野)が岩手県立大学で講演をさせていただいたことでした。わたし自身が起業前、会社員時代に「動物いのちの会いわて」でボランティア活動をしていた経験があり、それが今の事業を始める大きなきっかけにもなっています。
講演ではその当時の経験や思いをお話しさせていただいたのですが、終了後のアンケートには「ボランティアに興味があります」という学生さんたちの声が寄せられました。その中には、「絵を描くのが得意です」と話してくれた方もいて、
動物への想いと得意なことを組み合わせれば、何か新しい取り組みができるのでは?
そんなアイディアが、このプロジェクトの出発点となりました。
「動物愛護団体で保護されている犬や猫たちのために、自分にできることをしたい!」
そんな学生たちの思いから、「ネコの描き手ボランティアプロジェクト」は2022年12月にスタートしました。
絵の力で犬猫の殺処分を減らしたいという想いを込めて、活動を続けています。
寄付贈呈式
大学生ボランティアとともに、2月末日までに集まった寄付を3月28日に「動物いのちの会・いわて」さんにお届けしました。

寄付先 | 動物いのちの会いわて |
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寄付金額 | 合計:281,400円(2024年3月~2025年2月集計) 内訳: ・2025年カレンダー 163,200円 ・チャリティートート 39,200円 ・チャリティ絵画 81,750円 |

寄付金は施設の犬猫たちのために使われます。
ご支援ご協力いただきありがとうございました!

寄付贈呈式の様子が読売新聞(2025年6月12日発行)の紙面へ掲載されました。

※権利関係の都合により、紙面にぼかし処理を施しています。
動物愛護の現状
日本ではいまもなお、多くの犬や猫たちが殺処分されています。
環境省の2023年度のデータによると、全国で処分された犬猫の数は9,017頭。命を守るべき私たちの社会で、尊い命がこうして失われているという現実を、どうか知っていただきたいのです。
贈呈式では「動物いのちの会いわて」代表・下机さんより、現在の動物愛護の課題や社会的背景について貴重なお話をいただきました。
「殺処分ゼロ」に隠れた数字
「殺処分ゼロ」という言葉を聞くと、すべての動物が救われているような印象を受けます。しかしこの数字は、あくまで保健所に収容された動物だけを対象としたものです。路上や私たちの身の回りで命を落とす動物たちは、統計に反映されません。数字に安心せず、見えない現実にも目を向けることが求められています。
「動物いのちの会いわて」で保護されている動物たち

「動物いのちの会いわて」では、常時170〜180匹の犬猫を施設内で保護しています。さらに、登録制の一次預かり制度を活用することで、特に子猫たちは十分に成長するまで預かり家庭で大切に育てられ、その後は譲渡会を通じて新しい飼い主のもとへとつながっていきます。施設で暮らす犬猫に加え、一次預かり家庭で過ごす子たちも含めると、保護している犬猫の数はおよそ300匹にのぼります。
一時預かり制度の中で起きた事件と教訓
最近、熊本市でネコを預かっていたボランティア団体の女性宅から、150頭を超えるネコの死がいが見つかるという衝撃的な事件が発覚しました。適切な預かり先の選定が行われなかったことに加え、有料での預かりであったにもかかわらず、その後のフォロー体制も不十分だったことが問題視され、最終的に警察への届け出によって明るみに出ました。
この出来事は、「命を預かる」という行為がいかに大きな責任を伴うかを、社会全体で改めて考えるべき深刻な出来事となりました。
国の規制と保護団体への過大な負担
国の規制には意義がありますが、たとえば「猫の座高の3倍の高さのケージ」「猫30匹に対し労働者1人」などの基準は、営利事業者を想定してつくられたものであり、非営利の保護団体には大きな負担となります。必要な人手が足りず、現場は常にギリギリの状態で運営されています。
岩手県独自の「負傷動物保護制度」
岩手県では、県と獣医師会がそれぞれ2万円ずつ出資することで、1頭あたり計4万円の治療費が確保されています。しかし、実際の医療現場では1日でその金額が尽きるケースも少なくありません。命をつなぐためには、医療機関や団体の柔軟な連携が不可欠です。
台湾のドキュメンタリーが社会を変えた
台湾では、大学教授が保健所の実態を映した映画を制作し、それが暴動やデモを巻き起こしました。その結果、殺処分ゼロ政策が国主導で導入され、国営の保護施設が整備されました。名前やカルテが付いた動物たちは、給料をもらうスタッフによってきちんと管理されています。
災害時に急増する保護動物と「戻れる命」
「動物いのちの会いわて」が最初に保護していた動物は30匹でしたが、東日本大震災や岩泉の豪雨、大船渡の災害などを経て、今では約300匹が暮らしています。特に大船渡のケースでは、全ての動物が元の飼い主のもとに戻ることができたというお話が報告されました。
ボランティア学生の声
贈呈式に参加した大学生ボランティアからは、こんな声も聞かれました。
「自分の好きなことで社会に貢献できていることを、改めて実感できました。」
このプロジェクトは、若者たちが“得意”を社会のために役立てる場にもなっています。


保護犬、保護猫のご支援よろしくお願いします
本来、犬も猫も私たちと同じ大切な命です。殺処分という形で命を絶つことが、本当にあってよいのでしょうか。
もちろん、一人の力ではできることに限りがあります。でも、だからこそみんなで力を合わせて変えていきたい。そんな願いを込めて、私たちはこのプロジェクトを始めました。




なお、「チャリティートート」「チャリティー絵画」は寄付活動を継続いたします。
引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。