脱走した愛猫の探し方を教えてください!
脱走した愛猫を見つけたけど捕まえることができなくて困っている
「大変、ネコさんが脱走した!」そんなときにも慌てないように、いざというときのための知識はしっかりと身に付けておきたいものです。
今回は、脱走したネコさんの探し方のコツ、脱走防止策についてご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の目次
猫を探すときの持ち物リスト
脱走したネコさんを探すときに必要な持ち物をまとめました。
- いつものフードや大好物のおやつ(見つけたときにおびき寄せる)
- 洗濯ネット(タオルなどの猫を包めるものでもOK)
- キャリーバッグ
- 懐中電灯(夜間の捜索時に必須)
- 軍手(茂みなどを掻き分けたりする際に使用)
- 配布用のチラシ(ネコさんを探しながら配布しましょう!)
これらは最低限必要なものです。このほかにも、必要に応じて持ち物を準備してください。
脱走した猫の探し方
ここでは、脱走したネコさんを探すために知っておきたい5つのことと、やっておくべき3つのことをご紹介します。
それでは、詳しく解説していきましょう。
猫の捜索範囲はどれくらい?
脱走して3日以内ならば、遠くまで逃げている可能性は低いです。お隣の庭にいるのを見つけた!というケースも少なからずあります。最初は、半径50mくらいからはじめて、見つからなかったら少しずつ範囲を広げていきましょう。
脱走したネコさんの捜索範囲は、室内飼育か外出するか、性別、避妊・去勢の有無などで変わってきます。
室内飼育で避妊・去勢手術済みのオスのネコさんは半径100m、メスは半径50mくらいの範囲を捜索します。避妊・去勢手術をしていない場合は、行動範囲が広くなる傾向がありますので、半径200〜300mを中心に探してください。
外出をするネコさんで避妊・去勢済みの場合は半径200〜300m。避妊・去勢手術をしていないオスのネコさんは半径500m、メスは半径300mを中心に捜索をするようにします。
野良猫の多い地域ですと、ほかのネコさんに追われて遠くまで逃げている場合がありますし、発情期も行動範囲が広くなる傾向があります。また、野良猫としてお外で暮らしていた経験のあるネコさんは、遠くまでお出かけすることが多いです。
いずれにしても、状況や季節によって捜索範囲を広げる必要があるでしょう。
脱走した猫が隠れている場所
脱走したネコさんは意外と近くにいることが多いです。とくに、室内で暮らしているネコさんは、外に出ても怖いと感じてすぐ近くに姿を隠すことも多いと言われています。
隠れているネコさんを見つけるコツは、「ネコさんの目線になる」ことです。薄暗い場所や狭い場所、建物の隙間や物置きに潜んでいることも。具体的には次のような場所にいることが多いようです。
- 車の下
- 物置き
- 建物の隙間や裏
- 室外機の下
- 自動販売機の下
- 側溝の中
- 植え込み
- 木の上
- 屋根や塀の上
ネコさんは、高いところに上って降りられなくなっていることもあります。下だけではなく上も探すようにしましょう。
また、人にもほかのネコさんにも見つかりにくい場所に隠れるネコさんも多いです。「こんなところに入るかな?」と思うような場所もかならず確認してください。
捜索におすすめな時間帯は夕方から夜
脱走したネコさんは、人通りの多い日中を避けて、人の少なくなる夕方以降に活動をすることが多いといいます。いつもは、人間の時間帯にあわせて生活しているネコさんも同様の傾向があります。
そのため、ネコさんの捜索は薄暗くなってきた夕方から夜にかけてがおすすめです。朝方の薄明るい時間にも活発になるので、可能であればその時間帯にも探してみましょう。
また、雨上がりも捜索には良いとされています。それまで、雨を避けて隠れていたネコさんが活動を開始するため、活発に動き回るので発見しやすくなります。
家のまわりに猫砂を撒く、ごはんを置く
ネコさんには帰巣本能があるので、通常は帰ってくるはずだと言われていますが、この帰巣本能も実はちょっと怪しいのでは?という説もあります。そもそも、お外に出る習慣のないネコさんの場合は、家がわからなくなることも多いのだとか。
そんなネコさんに、においで家を教えてあげましょう。
ネコさんが使用中の猫砂を少しだけ家の周りに撒いておきます。ネコさんは出ていった場所から帰ってくる可能性が高いというので、脱走したと思われる場所の付近に置いておくのも良いでしょう。
同時に、扉や窓を少しだけ開けてネコさんがいつも食べているごはんを置いておきます。お腹が空けばにおいに釣られて帰ってくることが考えられます。
優しく名前を呼びながら探す
ネコさんの名前を優しく呼びながら探すのが良いと言われています。普段から名前に反応するネコさんの場合は姿を表す可能性があります。また、家の方向を教えるためという意見も。
脱走したネコさんは慣れないお外の世界でとても警戒したり神経質になったりしている可能性が高いです。名前を呼ぶときは次のことに注意しましょう。
- 優しく、落ち着いた声
- ごはんのときの呼び方
- 緊張感のある呼び方はしない
- 大声は出さない
迷い猫の届け出と動物病院への問い合わせ
ネコさんが脱走して1日探して見つからない場合は、早急に届け出をおこないましょう。
最低限、届け出をしておく場所は次の3ヶ所です。
- 保健所、動物愛護センター(地域によって呼び名が異なる場合も)
- 近隣の交番と警察署
- 道路清掃を管理している清掃局(土木課、環境衛生課、国道事務所)
なお、管轄の保健所、都道府県警本部は以下のリンク先より確認できます。
保健所:厚生労働省 保健所管轄区域案内(2022年6月14日時点)
警視庁:都道府県警察本部リンク(2022年6月14日時点)
また、近隣の動物病院への問い合わせも忘れずにおこないましょう。ネコさんを保護した人が受診をする可能性があります。愛猫に似たネコさんを連れた人が来院したら連絡をもらえるようにお願いをしておくのがおすすめです。
そのほかにも、ペットショップやペット関連の施設があれば、声を掛けておくと良いでしょう。
チラシやポスターを活用しよう
ネコさんの捜索では必ず用意しておきたいアイテムです。手渡しやポスティングに使えるチラシと掲示用のポスターの2種類を用意しましょう。
- ネコさんの情報(名前、性別、毛色、大きさ、身体的特徴)
- ネコさんの全身や特徴がわかる写真を数点
- 首輪の特徴やマイクロチップの有無
- 飼い主さんの名前(名字のみでOK)
- 飼い主さんの連絡先(携帯電話の番号)
迷子のネコさんを探していることがひと目でわかるようにしましょう。デザインは凝る必要はないので、必要なことを明確かつ簡潔に書きます。
記載する名前は誰なのかわかれば良いので、本名を書くことに抵抗がある場合は、仮名やカタカナ表記でも構いません。住所は未記入で大丈夫です。
謝礼があると連絡をもらいやすくなりますが、具体的な金額や品物などは記載しないほうが良いです。「保護につながる情報を提供してくださった方には心ばかりの謝礼を致します」と書いておくだけに留めましょう。
完成した配布用のチラシは、捜索時に持ち歩いて聞き込みをした人に手渡しで渡したり、ポスティングをしたりするときに使います。また、数日経っても見つかる気配がない場合は、指定した地域に郵便物を配達する配達地域指定郵便物サービスを利用して一気に配布する方法もあります。
ポスターはスーパー、動物病院、ペットショップなど人が集まりやすい施設にお願いして貼ってもらうようにしましょう。掲示をする地域は、ネコさんの行動範囲よりも少し広めの範囲にします。
SNSや迷い猫の掲示板などで呼びかける
TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSや迷い猫の掲示板なども積極的に利用しましょう。迷子情報は広まりやすいのでおすすめです。
基本的に掲載する情報は、チラシやポスターと同じですが、写真の枚数を増やしたり、動画を掲載するといったこともできます。
もし、SNSに飼い主さんの名前や連絡先などの個人情報を掲載することに抵抗があるという場合は、DMのみのやりとりにして、個人情報は掲載しないようにしても良いと思います。
愛猫を安全に捕獲する方法
愛猫を見つけたらまずは落ち着きましょう。大声で呼びかけたり、突然駆け寄ったりするのは絶対にやめてください。脱走したネコさんは、興奮状態になっています。例え飼い主さんであっても警戒されますし、逃げられてしまう可能性があります。
捕獲する際は、いつも食べているごはんやおやつで呼び寄せ、食べている隙に洗濯ネットをかぶせて捕獲します。そして、そのままキャリーバッグに入れてください。
もし、姿は確認しているのにどうしても捕まえることができないといった場合は、捕獲機の利用を検討しましょう。保健所や動物愛護センター、保護団体、動物病院で貸し出しをしているところもあります。
愛猫を保護したあとにやること
ネコさんを無事に保護することができたら、動物病院への受診、お世話になった人への報告と謝礼を忘れずにおこないましょう。
愛猫の体をチェック、動物病院を受診
愛猫を保護したら、様子を見ながらお水とごはんを与えて落ち着かせてください。それから、怪我がないかなどを確認しましょう。
目立った外傷がなくても、寄生虫や感染症などもありますので、動物病院で健康状態を確認してもらうようにしてください。
お世話になった人たちへの報告と謝礼
迷子の届け出先や問い合わせた動物病院、ポスターを掲示した施設などに見つかったことを速やかに報告し、ポスターを回収してください。
また、捜索を手伝ってくれた人たち、SNSや掲示板への報告、目撃情報がきっかけで見つかった場合は謝礼も忘れないようにしましょう。
猫の脱走対策と迷子対策
ネコさんを探すコツを知っておくことも大事ですが、いちばんは脱走しないようにしっかりとした対策をすることです。また、万が一のときにもネコさんが無事におうち帰れるようにしておきましょう。
玄関、窓、ベランダの脱走対策
ネコさんの脱走経路のトップ3は玄関、窓、ベランダです。この3ヶ所の対策はとくにしっかりとおこなう必要があります。
玄関から出入りするときは、ネコさんを部屋に入れて扉を閉めてからという方法もありますが、脱走防止用の策をつけて二重扉のようにしてしまうという方法がうっかりもおこりにくくておすすめです。
オーダーメイドの商品やお高い市販品もありますが、コスト優先の場合は、100円ショップのワイヤーネットと結束バンドを使い簡易の策を作ることができます。
また、来客に対してネコがいることをアピールするステッカーを掲示し、ドアの開閉に注意を促すのも良いでしょう。おすすめは弊社で扱っている「ドアネコ」です。シンプルなイラストがおしゃれで可愛いと人気の商品です!
窓からの脱走では、飼い主さんがうっかり開けっ放しにしてしまった、というケースもありますが、ネコさんが網戸や窓を自力で開けて脱走するケースも多いのだそうです。とくに、網戸は軽いので簡単に開けてしまいます。対策には、ネコさんが窓を開けられないようにロックをつけることです。
また、網戸を破って脱走するケースもあります。ネコさん対応のペット用の網戸を検討しましょう。業者にお願いしても良いですが、ホームセンターなどで網を買ってきて自分で張り替えると安くすみます。
ベランダの脱走対策は、網や板などを使い策の隙間を埋めるようにしましょう。そして、足場になるものを撤去してください。転落防止用のネットを使用するのもおすすめです。
迷子札やマイクロチップを装着
ネコさんが脱走した際におうちに戻れる可能性を少しでも上げるためには、迷子札やマイクロチップの装着をおすすめします。
迷子札は首輪につけるタイプが一般的ですが、「名入れ付きねこともカラー」のように、ネコさんの名前と電話番号が首輪に刺繍をしているタイプもおすすめです。
また、マイクロチップを装着することも迷子対策としては有功です。脱走時だけでなく災害時にも役に立ちます。迷子札のように脱落の危険性がないのがいちばんのメリットです。
マイクロチップは、2022年6月より装着が義務化されましたが、対象はペットショップやブリーダーなどの販売業者のみです。すでに、飼っているネコさんや販売業者以外から迎える場合は装着の義務はありません。希望する場合は動物病院で装着します。
関連記事:猫には首輪とマイクロチップは必要?それぞれの意味とおすすめ首輪を紹介
脱走対策には避妊・去勢手術も効果的
ネコさんが脱走するのは春から夏にかけてが多いといいます。窓を開ける機会が増えるからというのもありますが、ネコさんにとっては恋の季節、いわゆる「発情期」でもあります。
避妊・去勢手術をしていないネコさんは発情期になると、相手を探すためにお出かけしたくなります。本能による行動なので、しつけでなんとかなるものではありません。発情期に由来する脱走を防ぐには、避妊・去勢手術をすることです。
繁殖を望まないのであれば、避妊・去勢手術を検討しましょう。
迷い猫の捜索はあきらめない気持ちが大事
無事に帰ってくるネコさんの多くは1週間以内に帰宅しているとのこと。一方で、数週間後、数ヶ月後に無事に帰ってくるネコさんもいます。
時間が経ってから帰ってくるネコさんの多くは、飼い主さんが諦めずに探しているケースが多いように思います。探し方のコツはいろいろありますが、「諦めないこと」「帰ってくると信じること」がいちばんのコツなのかもしれません。
どうしても、見つからない場合は、迷い猫探しのプロであるペット探偵へ依頼することを検討するのもおすすめです。