なぜ猫に水が必要なのか

水のイメージ写真

水は「第5の栄養素」とも言われるほど、生命にとって非常に重要な物質です。

ネコ族は元々砂漠の出身で、水分が少ししか取れなくても乾燥に適した身体を維持することができます。少ない水分を身体の中に行き渡らせ、そして濃縮した尿を排出するのです。しかし、これは腎臓に大きな負担をかけることになります。腎臓という臓器は体内に吸収された後の老廃物や毒をろ過してオシッコとして出し、血液をきれいにしてくれる働きをします。また、ほかにも骨の代謝や造血、体液の平衡状態の維持などもおこなっています。

働き者の腎臓ですが、腎臓の機能が低下し慢性腎不全などの状態になると壊れた腎臓は元に戻すことができません。

水分排出を抑える、それは乾燥地帯で生き抜くための身体構造ですが、自然界より遥かに平均寿命が延びている家庭猫では、高齢になると多くの猫たちが腎疾患を抱えることになります。

少しでも長く元気に過ごしてもらうために、そして尿石対策のためにも、常日頃から水分を十分に取れるよう工夫して、腎臓の負担を軽くしてあげてください。

慢性腎臓病、尿石症、そして心臓病の治療のために利尿剤を服用している動物では、日常から少しでも多くの水分を摂らせる必要があります。
しかし、言葉が通じない動物であるがゆえに、飼い主さんにとって水分を少しでも多く摂らせることは困難と言わざるを得ません。

日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科臨床獣医学部門治療学分野1 教授
動物医療センター循環器科腎臓科 竹村直行先生

一般的に「硬水」はミネラル分(マグネシウムやカルシウム)を多く含むため、腎臓病のリスクが高いといわれています。 ご自宅の水道水が「硬水」か「軟水」か気になる場合は水質検査キットで調べることができます。
 

猫が1日に必要な水の量

体重によって変わってきます。体重別ネコが1日に必要な水の量
体重5kgのぽんちゃんの場合は約280mlのお水が1日に必要になります。

 

猫に水を飲んでもらう方法

ネコが1日に必要な水の量がわかりました。次なる課題は「どうやって飲んでもらうか」です。
すぐに実践できる対処法を6つご紹介します。

 

お水の温度

猫の器のサイズ
体温程度に温めたお水を好むネコさんが多くいます。(夏は)少し冷たいもの、(冬は)少し温かめにしたもの、あるいは室温など、お水の温度を変化させて好みの温度を知ることも大切です。

 

お水をいれる量

猫の器のサイズ
(器の中のお水の深さ)を変えて好みを探ってみましょう。
器のサイズによって満水量も異なります。お留守番の時間が長い、多頭飼いなど状況にあわせて選びましょう。

 

器のサイズ

猫の器のサイズ
ネコさんの身体の大きさに関係なく、器の大小に好みがある場合があります。

 

器の高さ

食器台を使って水を飲む猫
床から離れた場所に置くことでホコリ等の混入を少なくすることができます。食器の台で高さを出すことでお腹を圧迫することなく、ちょうど良い高さになり飲みやすいです。

 

食器を置く場所

魔法の食器
複数の食器を設置しネコさんの行動範囲のどこでも飲めるようにすることで、水を飲むチャンスが増えネコさんの好みの場所もわかります。

 

器の数

時間をおいた水を好むとき。新しく取り替えた水が好きなとき。ネコさんの気分によって変わることがあります。お水が汚れてしまったときのことも考慮し2箇所以上のお水を用意してください。

 

まとめ

ネコさんにお水を飲んでもらうための工夫いかがでしたでしょうか?
我が家のちゃっくんは冷たい水は苦手でぬるま湯が好みです。朝と夜2回お水を交換しています。
一緒に暮らしているネコさんの好みを知るためには実験あるのみです。
ネコに必要不可欠なお水をいっぱい飲んでもらいましょう!



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