うちのネコさんの飲水量は、これで足りているのだろうか?
“猫はあまり水を飲まない”って聞いたけど、もしかしてうちのネコさんは水を飲み過ぎ?
ネコさんの健康を守るうえで欠かせないのが、適切な水分摂取です。しかし、愛猫が1日にどれだけのお水を必要としているか、具体的な飲水量の目安がわからずお悩みの飼い主さんは多くいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、ネコさんの1日に必要な水の量の考え方や水分不足が及ぼす影響、水分摂取における注意点まで、ネコさんとお水に関する情報をまとめました。
ネコさんが1日に飲む水の量についてお悩みの飼い主さんの参考になれば幸いです。
この記事の目次
ご存じですか?ネコさんの1日に必要な水分摂取量(ml)
イエネコの祖先は砂漠地帯に生息する「リビアヤマネコ」と言われています。水の少ない環境に適応するよう発達してきたというリビアヤマネコの特徴を受け継ぎ、積極的に水を飲もうとしないネコさんは多いかもしれません。
しかしネコさんにとって、水分は生命維持のために欠かせないものです。
「1日に必要なごはんの量」に目安があるように、お水もネコさんに合った量を毎日適切に与える必要があります。
まずは、飼い主さんがネコさんに必要な1日あたりの水の量を把握することが大切です。
以下、計算方法について見ていきましょう。
猫の水の量の計算方法
諸説ありますが、ネコさんの1日あたりの水分摂取量はDERと同じぐらいだと言われています。
DERとは、ネコさんの1日あたりのエネルギー要求量のことです。
ネコさんの体重やライフステージごとに設定された係数などを用いて計算します。
①RER(安静時のエネルギー要求量)を求める
RER=体重(kg)×30+70
②DER(1日あたりのエネルギー要求量)を求める
DER=RER×係数
例えばDERが「264kcal」であれば、そのネコさんの1日の水分摂取量の目安は「264ml」ということになります。
猫の体重別・1日の水分摂取量
ここで、ネコさんの体重別に1日に必要な水分量を確認してみましょう。
以下は、上記の計算式に基づきnekozuki編集部にて算出したDERです。(係数:1.2の場合)
ネコさんの体重 | DER |
1kg | 120 |
2kg | 156 |
3kg | 192 |
4kg | 228 |
5kg | 264 |
6kg | 300 |
※DERは同じ体重のネコさんであっても、係数の違いによって差が生じます。上記の数値は目安として参考にしてください。
なおDERの計算に用いる体重は、ネコさんの現在の体重ではなく「理想体重」を当てはめるものとされています。(現在の体重が理想体重に近ければ、現在の体重を当てはめて問題ありません)
ネコさんの理想体重が不明な場合は、獣医さんに相談してみてください。
参考までに、旧ペットフードガイドラインに掲載されている水分量の目安もあげています。
出典:環境省|飼い主のためのペットフード ・ ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~平成21年10月発行版
こちらも目安の数値として参考にしていただければと思います。
水はネコさんの体の60~80%を占める重要な要素です。1日あたりの水分摂取量を目安に、お水を与えることが大切です。
なお水分は、食事からも摂取できます。
※フードごとの水分含有量は、フードのパッケージにてご確認ください。
1日あたりの水分摂取量の目安から、フードに含まれる水分を引いた分だけ、お水を飲んでもらいましょう。
猫が飲む水に関する注意点
環境省出典の「飼い主のためのペットフードガイドライン」にて、ネコさんの飲み水に関する注意点が3つ挙げられています。
1.飲水量は、気温や運動量などによっても大きく左右されること
2.新鮮な飲み水がいつでも飲める環境を整えること
3.ミネラル分が多く含まれる水(硬水)に注意すること
例えば、暑さの厳しい夏の日は、人間もいつもより多く水分をとりたくなりませんか?
ネコさんも同じです。喉の渇きに関してはちょっぴり鈍感なネコさんも、暑い日やたくさん運動をしたときにはお水を多めに飲みたいと思うことだってあるでしょう。
夏に限らず、寒い冬にも水分をとらなければ脱水症状を起こす可能性はあります。
ネコさんの水分摂取量を制限する必要はありませんので、ネコさんが飲みたいと思ったときいつでも清潔なお水が飲めるように、常に環境を整えておくことが大切です。
また、ネコさんが飲むお水は「軟水」が適しています。
人間用のミネラルウォーターは、マグネシウムなどのミネラルが多く含まれているものもあるため、ネコさんに与える場合は注意が必要です。
一部地域の水道水からは硬水が出ることもあるため、「自宅の水が軟水か、硬水かわからない」という飼い主さんは、水道水の水質チェックをおすすめします。
ネコさんに「硬水」を与え続けると、泌尿器疾患などの病気の原因になりかねません。注意しましょう。
詳細はこちらの記事をチェック!→猫に適した水の種類は?水道水 or ミネラルウォーター|愛猫の健康を考えよう
「水分不足」や「水分のとりすぎ」はよくない?
ネコさんの水分不足はもちろんNGですが、かといって水分のとりすぎは危険信号かもしれません。
ここでは、水を飲まないネコさんと水をよく飲むネコさんの注意点をそれぞれ解説します。
水を飲まない猫
ネコさんはもともと水を飲む習慣がほとんどない環境で育ってきた生き物です。
水を飲むことで水分をとるのではなく、食事(狩りの獲物)から水分を摂取していたと言われています。
そのため、「お水を飲んでくれない…」といったお悩みを持つ飼い主さんは多いのではと思います。
しかしネコさんの水分不足は、膀胱炎や尿路結石、腎臓病(腎不全)などの病気の原因につながる恐れがあります。
1日あたりに必要な水分摂取量を把握し、目安よりも明らかに飲水量が少ない日が続くときは、水分不足の症状が出ていないか?を確認してみましょう。
単にお水を飲まないことによる水分不足だけでなく、下痢や嘔吐などで体内の水分が外に出てしまうことによる脱水症状もあります。
ネコさんをよく観察してあげて、変わった様子はないか確認し、少しでも気になることがあれば獣医さんに相談することをおすすめします。
ネコさんがあまり水を飲んでくれないときはどう対処すればいい?
こちらの記事で詳しく解説しています!→猫があまり水を飲まない時は…?すぐできる対処法6つご紹介
水をよく飲む猫
「ネコさんがあまりお水を飲まない…」と悩む飼い主さんが多い一方で、「よくお水を飲む」というネコさんも一定数いるかと思います。
たくさん飲んでくれるのはよいことですが、飲み過ぎの裏には以下のような病気が隠されている可能性もあるため注意深く見てあげたいところです。
例えば、普段の飲水量の倍ぐらいの量を、突然飲むようになった場合には注意が必要です。
なんらかの病気が原因の場合、水をよく飲む他にも食欲が増す、体重が減る、お腹が張るなど、病気ごとに特徴的な症状が見られます。少しでも気になる場合は動物病院を受診し、詳しく検査をしてもらいましょう。
特に異常は見られないものの、普段から水をよく飲むネコさんもいると思います。水の飲み過ぎが病気の原因になることはありませんので、“飲み過ぎを心配して水分を控える” ということはしなくて大丈夫です。
水の量が異常かどうか判断するために大事なのは、ネコさんの普段の飲水量を飼い主さんが把握しておくことです。
「だいたい1日にこのぐらいの水分を摂取している」というのはおよそで構いませんので、日頃から観察してあげてくださいね。
適度な水分摂取が大切!
ネコさんの運動量や住んでいる場所の環境、季節ごとの気温の変化など、さまざまな要素によって水分のとり方も変わってくるかと思います。
ネコさんが1日に必要な水分摂取量はあくまでも目安として把握したうえで、ネコさんの状態を見ながら適度に水分補給を促してあげることが大切です。
ライフステージ別|水分摂取の注意点
続いてネコさんのライフステージ別に、水分摂取の注意点を見ていきましょう。
子猫期
生まれてすぐのうちは、ミルクを飲んで育つ子ネコさん。歯が生え始めて離乳食に切り替える段階から、少しずつお水を飲ませるようにしましょう。
小さいうちからお水を飲むのに慣れさせてあげることが大切です。ネコさんがお水を飲みたい時にいつでも飲めるよう、新鮮な水をネコさんの活動範囲内に置いてあげてください。
老猫期
高齢のネコさんは、若いころと比べてより喉の渇きを感じづらくなることから、飲水量が少なくなる傾向にあります。
お水を飲みたがらないときは、ウェットフードに切り替えたり、人肌程度に温めたぬるめの水をあげてみたりといった工夫で水分不足にならないよう注意しましょう。
反対に、普段あまりお水を飲まないネコさんが突然お水をよく飲むようになったときは、病気のサインである可能性が高いです。高齢になるほど病気の発症率が高くなると言われているため、特に注意が必要です。
少しでも気になる症状が見られたら、動物病院を受診しましょう。
寒い冬は、冷えた水を飲むのを嫌がって飲水量が減る場合があります。
冷たい水は常温にしてから与えてみてください。
わが家の「ちゃっくん」18歳は、ぬるま湯が好きでした。
ぽんちゃんに必要な1日の水分摂取量
ここまで、ネコさんの1日あたりの水分量の計算方法や水分摂取に関する注意点などを確認してきました。
参考までに体重5kgのぽんちゃんを例に挙げ、1日あたりの飲水量を確認してみましょう。
まずは、1日あたりに必要な水分摂取量を算出してみます。
RER→DERの順に計算します。
①RER=ネコさんの体重×30+70
ぽんちゃんの体重:5kg×30+70=220kcal
ぽんちゃんのRERは220kcalです。
②DER=RER×係数
ぽんちゃんのRER:220kcal × ぽんちゃんの係数:1.2=264kcal
ぽんちゃんは、1日あたり約264mlの水分が必要になります。
これは食事に含まれる水分も考慮した数値なので、今度はフードに含まれる水分を考えてみましょう。
ネコ社員のぽんちゃんは手づくりごはんを食べていますが、ここではわかりやすく、よくあるネコさんの食事を例として当てはめてみます。
水分含有量10%のドライフードを1日あたり約70g食べるネコさんの場合
ドライフードから摂取できる水分・・・70g×10%=約7ml
264mlー7ml=257ml
食事がドライフードのみの場合、1日あたりおよそ257mlの水を飲んでもらう必要があります。
ちなみにウェットフードの水分含有量は約75%なので、食事にウェットフードを取り入れると、さらにお水を飲む量を減らすことができます。
いつも決まった食器にすると、およその量がわかりやすくなるかと思います。
ネコさんのお気に入りの食器を選んであげてくださいね。
お水を入れる食器選び
続いて、体重5kgのぽんちゃんを例に挙げ、ぽんちゃんが使うお水用食器の選び方を見ていきましょう。
ちなみにぽんちゃんはフチ飲み派です。
朝と夜1日2回、満水にしてはいるものの
食器の縁で水を飲む、縁のみ派のネコさんはけっこうな量の水をこぼしていることがあります。
縁のみ派の猫社員ぽんちゃん
選定条件
- 1日2回お水を交換
- 蒸発を考慮
- こぼす縁のみ派
留守にする時間も考えると満水量300ml以上は欲しいです。
お水がまろやかになる魔法の食器として人気のヘルスウォーターボウル
お水をこぼすフチ飲み派のネコさんにおすすめのヘルスウォーターにゃんマグ
フチ飲み派のネコさんには「ヘルスウォーターにゃんマグ」がおすすめです!
にゃんマグには器に段差がついており、およその飲水量がわかりやすいといったメリットもあります。
お水がたっぷり入る「猫用水飲み食器」比較
nekozukiの「水飲み用食器」の一覧です。
No. | 商品名 | 最大容量(g) |
1 | ヘルスウォーターボウル水飲み用L | 800ml |
2 | ヘルスウォーターボウル水飲み用M | 600ml |
3 | ヘルスウォーター・にゃんマグ | 450ml |
4 | まんまボウル・水飲み用 | 450ml |
5 | ヘルスウォーターボウル水飲み用S | 300ml |
6 | まんまボウル・hole | 250ml |
7 | ヘルスウォーター・トリーツボウル | 200ml |
食器毎に満水時の最大水量を比較してみました。
普段お使い時は恐らく満水容量の6~7割前後だと思います。
ヘルスウォーターボウル水飲み例
nekozukiでは、「ヘルスウォーターボウルM」が多くの飼い主さんに選ばれています。
お水から愛猫の健康を考えるために。nekozukiがおすすめする商品
ネコさんのお水について深く考えたことがないという飼い主さんは、もしかしたら多くいらっしゃるかもしれません。
しかしネコさんの健康維持に、お水は重要な役割を持っています。
この機会にお水から愛猫の健康を考えてみませんか?
お水を飲まないネコさんに。nekozukiの「ヘルスウォーターボウル」
ヘルスウォーターとは、モンゴルの二億四千年前の地層から産出する天然稀土類元素やトルマリンなどを含む鉱物とバイオセラミックスをブレンド焼結した人工機能石のことです。
この機能石を器に使うと、器の中の飲み物などの味に微妙な変化が起こります。
そして機能石の性質を生かして開発したのが「ヘルスウォーターボウル」です。
器にお水を入れるだけで、角のないまろやかな味わいに感じられます。
フィルターなどの使用は一切不要です。
【お客様の声】
このボウルから飲む水の量は凄いです。尿道結石ぎみだったので、とても助かります。
一度飲んだら なかなかやめられませ~んって感じで 美味しそうに飲んでくれました。
ご購入された飼い主さんから、うれしい声が続々届いています。
お水を飲むのが苦手なネコさんに、ぜひお試しください。
ネコさんの体調管理に。「おしっことるよ」
ネコさんの水分不足が原因となる病気は、おしっこの成分から早期発見できる場合があります。
「おしっことるよ」では、ネコさんのおしっこの中のpH、糖分、タンパク、ヘモグロビンの4成分を測定できます。
検査方法はいたってシンプルなもの。
ネコさんが尿を足した後のおしっこシートに、キットをぽんぽんと2回押して60秒間待つだけです。ネコさんへの負担はありません。
色で簡単に検査結果がわかるようになっているので、飼い主さんの専門知識も不要です。
nekozukiでは、3ヶ月に1回の検査を推奨しています。
気軽にできる検査で、ネコさんの健康チェックを習慣にしてみませんか?
水道水派のおうちの水質チェックに。「おみずちょうだい」
日本の水道水の大半は「軟水」です。しかし地域によっては「硬水」が出ることがあるのをご存じでしょうか?
硬水に多く含まれるミネラル分は、ネコさんの腎機能に大きな負担をかけてしまいます。
しかしいつも飲んでいるお水が軟水なのか、硬水なのか。見た目にはわかりません。
そこでnekozukiでは、誰でも簡単に水質チェックができる「おみずちょうだい」を作りました。
こちらも簡単な検査方法で、60秒間ですぐに結果がわかるのが特徴です。
いつも飲んでいる水道水がネコさんにとって安全な水質かどうか、さっそくチェックしてみましょう!
\簡易水質検査キット「おみずちょうだい」の商品詳細はこちら/
【専門家監修】猫の水の量Q&A
水分摂取が大切なのはわかったけど、うちのネコさんはなかなか水を飲んでくれなくて…
複数飼いの場合はどうしたらいいんだろう?
など、飼い主さんによってさまざまな疑問が浮かぶかと思います。
そこで、愛玩動物飼養管理士1級など多数の資格を持つnekozuki編集部の太野さんに、ネコさんの水分摂取に関するあらゆる疑問を聞いてみました。
何か1つでも参考になれば幸いです。
nekozuki編集部 太野由佳子
(株)クロス・クローバー・ジャパン代表取締役。ネコ目線のモノづくりでネコの困りごとを解決する商品を数多く開発。相棒はネコ社員のなるとさん、ぽんちゃん、ちゃっくん。2022年にあんこさん、きなこさん、ひいらぎちゃんが新しく仲間入り。
Q1:うちのネコさんはあまり水を飲みたがりません。しっかり水を飲んでもらうための工夫はありますか?
A1:ネコさんの好みによって好きな飲み方が変わります。
例えば水の置き場所ひとつをとっても、好みが違います。人の出入りがよくある場所だとしっかり飲んでくれなくても、人の目が少ない静かな場所なら落ち着いて飲んでくれる、ということもあります。
他にも、温度を気にするネコさん、水道から流れる水が好きなネコさん、器のサイズや材質、形が気になるネコさんなど、本当にさまざまです。
お水自体が苦手なネコさんは、魚や鶏肉の茹で汁だと飲んでくれるかもしれません。
新鮮なものを好むので、ちょっとお水が汚れているだけでも飲みたくない、というコもいます。
ネコさんの好みを探りながら、いろいろと試していただけたらと思います。
Q2:あまり意識して水分をとっていませんでしたが、今のところ健康上の問題は特にないように思います。それでも1日に必要とされる飲水量を意識して与えたほうがよいのでしょうか?
A2:専門家によると近年の栄養学において、お水は「第5の栄養素」との見方もあるほど重要な要素だと考えられています。それはネコさんにとっても同じです。特にネコさんの水分不足は、泌尿器系疾患の発症にもつながるため注意が必要です。
水分不足がすぐに病気につながるわけではなく、日常的に水分不足が続いた場合に、健康状態になんらかの影響を与える可能性があります。
現状は健康上の問題がなくても、お水を飲んでもらうように意識した方が、将来的には安心かと思います。
ネコさんがいつでも新鮮なお水が飲めるように、環境を整えてあげてくださいね。
Q3:1日に必要な飲水量を計ってあげても、しっかりと飲めているか正確に把握するのは難しいです……。適正な量をちゃんと飲めているかどうか判断するポイントはありますか?
A3:水分が不足しているかどうかの判断について、個人的にはネコさんの目を見てあげるとわかりやすいかなと感じています。水分が足りていないと目の輝きがなくなったり、目がしぼんだように見えたりします。
脱水症状が進むと、背中の皮膚を引っ張っても戻らない、歯茎や肉球が白っぽくなるなどの見た目の変化も見られます。
また、おしっこの色が薄い黄色ではなく濃い黄色になった場合は、水分が足りていないサインかもしれません。
お水の蒸発量が気になる方は、ネコさんが飲む水とは別に同じ水の量を入れた器を用意して計る方法もあります。
例えば朝に300mlのお水を2つの器にそれぞれ入れて、片方のお水はネコさんが飲めないように囲っておきます。これは蒸発量を計るものです。
お水を交換するタイミングで器のお水を計量カップに移して、それぞれ何ml残っているかを確認します。
ネコさんが飲んでいたお水の残りに蒸発した分を足したものが、ネコさんが1日に飲んだ水の量ということになります。
とはいえ、あんまり神経質になりすぎると飼い主さんもネコさんも疲れてしまうと思います。
1日に必要な水分摂取量は目安として把握しておきつつも、きっかり計って飲ませる必要はありません。
ネコさんが十分にお水を飲めるように工夫してあげることや、日頃からネコさんの状態をチェックしてあげることなどが大切だと考えています。
Q4:ネコさんの飲水量が原因で病気を経験したことはありますか?
A4:飲水量だけが原因ではないかもしれませんが、初めて育てた「なるとさん」がおしっこづまりになったことがあります。何度もトイレに行くものの、おしっこが出ていなかったことで異変に気づきました。
当時なるとさんにはカリカリ(ドライフード)だけを食べさせていて、特に飲水量も気にしていませんでした。
病気を経験したあとは、食事にウェットフードを取り入れるなど、意識して水分をとってもらうように工夫しました。
Q5:1日に必要な飲水量の何%以上の水分をとるといけないといった基準はありますか?
A5:ネコさんの体重や普段食べているフードの種類など、さまざまな条件によっても1日に必要な水分摂取量が変わってくると思いますので、具体的な数値で示すのは難しいところです。
しかしネコさんが水を飲み過ぎてしまうのには、それなりの理由があると考えられます。
例えばですが、ウェットフード中心の食事からドライフード中心の食事に移行した場合は、食事からとれる水分量が少なくなるため、普段より多めにお水を欲しがるかもしれません。
他にも食事から塩分をとり過ぎていないか、お部屋が乾燥気味でないか、暑すぎないかなど、普段の食事や生育環境などにも目を向けてみてください。単純に気温が高いことや、たくさん遊んでいつもより運動量が多くなったことが原因で、お水を欲しがる場合もあります。
特に理由が見当たらないけれどお水を飲み過ぎていると感じた場合は、病気の可能性も考えられるので、一度獣医さんに相談したほうが安心かと思います。
Q6:複数飼いのネコさんの飲水について、工夫できることや気をつけることはありますか?
A6:複数飼いの場合、器を共用するのが嫌いなネコさんがいるので、1匹ずつ専用の器を用意してあげるとよいかもしれません。ただ、ネコさんたちの性格や好みなどによっても違ってくると思います。例としてわが家の場合を紹介しますね。
わが家には3匹のネコさんがいますが、お水はフードの横や階段など計4ヶ所ほど、いろいろな場所に置いています。1匹は高いところで飲むのが好きですが、他のネコさんは割と床から近い位置に置いた方が飲みやすいようです。
お水の飲み方もさまざまで、飲む前に手を入れて温度をはかるコがいたり、新鮮なお水を一番に飲みたいコがいたり。きれいなお水が好きなネコさんは、フード横に置いた水の中にうっかり自分の食べていたフードを飛ばして入れてしまって「もう飲まない」、なんてこともあります(笑)
日々ネコさんたちを観察する中で好みを探ってみて、うちのコに合ったお水のとり方を見つけていただけたらと思います。
まとめ
ネコさんの健康を守るためには、毎日の適切な水分摂取が欠かせません。
1日あたりに必要な水分摂取量を飼い主さんが把握したうえで、ネコさんにお水を飲んでもらう工夫をすることが大切です。
水道水の塩素のニオイが苦手なネコさん、食器にひげが当たるのが気になるネコさん、冷たい水にびっくりしてしまうネコさんなど……。ネコさんによってお水や器の好みなど、さまざまです。
ぜひ、“うちの子が好きなお水” をじっくり観察して、ネコさんの好みを探ってみてください。
ネコさんの食器のサイズの好み、留守にする時間、ネコさんの頭数などを考慮しながら、本記事でご紹介したポイントを参考に、ネコさんの水飲み食器も選んでいただけたらと思います。
ネコさんの1日に必要な水分量を把握して、毎日美味しくお水を飲んでもらいましょう!