ネコさんて、どうしてごはんを食べこぼすのかな?
食べこぼしに効果的な対策はないのかしら?
ネコさんの食べこぼしが酷くて困っている。そんな飼い主さんも多いのではないでしょうか?
今回は、ネコさんの食べこぼしの原因から対策までをご紹介していきます。ぜひ、参考にしてくださいね。
この記事の目次
ごはんを食べこぼす原因を見極めることが重要
ネコさんの困った行動には、必ずなんらかの原因があります。その原因を知らなければ、どんなに対策を頑張っても期待するような結果は得られません。
やっかいなのは、困った行動の原因がひとつではなく、ネコさんによって異なるということです。問題行動によっては、原因が多岐に渡り見極めが困難なこともあります。
食べこぼしも例外ではなく、ネコさんによってさまざまな原因があります。口内炎などの病気もあれば、食器やキャットフードの形状があわないということも。また、習性や性格といった要因もあります。
まずは、愛猫が食べている様子をしっかりと観察し、食べこぼしの原因を見極めましょう。
猫がごはんを食べこぼす5つ原因
ネコさんが食べこぼす原因は「食べにくさ」にあります。具体的にはどのようなことが考えられるのでしょうか?
- 食器の形状があわない
- ヒゲ疲れ
- キャットフード形状があっていない
- ネコさんの習性や性格
- 高齢で噛む力がよわくなった
ひとつずつ解説していきます。
1.食器の形状があわない
ネコさんはいろんなことにこだわりを持っています。食器もそのひとつで、食器の形状があわないと食べにくいと感じ、こぼす原因になることがあります。
食べにくいとひと口で言っても、ネコさんによって原因はいろいろで、ヒゲがお皿にあたるのが嫌だ(ヒゲ疲れ参照)、食器が深すぎて食べにくい、低くて前かがみになるのがつらい、ごはんが口に入れにくいなどさまざまです。
食べにくい原因を見極めて適切に対処していかなければいけません。
2.ヒゲ疲れ(ウィスカーストレス)
ネコさんのヒゲはとっても敏感で、ヒゲがなにかに触れると脳に信号が流れるようになっています。そのため、食事中にずっと食器にヒゲが あたりつづけると、常に信号が脳に流れつづける状態になります。その結果、情報が多すぎてストレスになってしまうのだそうです。これを「ヒゲ疲れ」または「ウィスカーストレス」といいます。
ヒゲ疲れの状態になると、フードを手で食器の外に出して食べる、やたらと食べこぼすといった様子が見られることもあります。
3.キャットフードの形状があっていない
キャットフードの粒が小さかったり、丸かったりすると歯にひっかかりにくく、隙間からこぼれ落ちてしまうことがあるようです。
逆に、粒が大きすぎて上手に口に入れることができずに食べこぼしの原因になってしまうこともあります。
形状の違う粒が混じっているフードで特定のかたちのものだけを残すネコさんがいます。その場合は、特定のかたちが食べにくくて残している可能性が考えられるでしょう。また、食べこぼしの原因になることもあります。
4.猫の習性や性格
ネコさんは捕まえた獲物を食べる際に、頭を左右に振って肉を引きちぎります。その名残で、キャットフードでも頭を振りながら食べるネコさんがいるのです。
そのような癖のあるネコさんは、フードが飛び知ってしまうのは避けられません。習性が影響しているため、飛び散らないようにするのは難しいと思われます。
ほかにも、お外で暮らしていた経験のある神経質なネコさんは、周りを気にしながら、フードを食器の外に出して食べることがあります。その場合も、食器の周りにごはんが落ちているという状況になります。
5.高齢で噛む力が弱くなった
ネコさんも高齢になると歯が弱り、噛む力が次第に衰えていきます。そのため、硬いフードを食べるのが難しくなり、食べこぼしの原因になることがあります。
このような場合は、食べこぼしだけでなく、食欲不振に繋がることも多いためそちらの対策も必要になるでしょう。
突然ごはんを食べこぼすようになったら病気かも
これまで普通にごはんを食べていたネコさんが、突然、食べなくなったり、ボロボロと食べこぼすようになったりしたら、口内炎や歯周病といった口腔内の病気が関係しているかも知れません。
もし、食べこぼすだけではなく、口を気にする、口臭がする、よだれを垂らす、食欲が低下するなどの症状も見られる場合は獣医師に相談しましょう。
口内炎
口内炎とは、口腔内の粘膜が炎症を起こす病気です。一部のみに炎症が生じる軽度のものから炎症が広範囲に生じる重度のものまであります。重症化すると激しい痛みを伴うため、食欲不振や食べこぼしの原因になります。
口内炎の原因は、はっきりとはわかっていませんが、「歯周病、外傷、内臓疾患、消化器系の病気、口腔内が不衛生、細菌感染、」が原因だと考えられているようです。
また、高齢になるほど発症率が高いとされています。
歯周病
歯周病とは、歯肉炎と歯周炎の総称で、歯垢に生息する細菌などが出す毒素によって歯肉や周辺組織に炎症がおよぶ病気です。3歳以上のネコさんの70%以上が歯周病を発症するといわれており、口内炎と同じく、高齢になるほど発症率が高い傾向にあります。
歯周病になると、痛みや口臭、出血といった症状が見られます。また、症状が進行すると、菌が血液にのって全身に広がり腎臓、肝臓、心臓などの内臓に影響をおよぼすこともあるため注意が必要です。
猫の食べこぼしを改善する3つの対策
ネコさんの食べこぼしの原因を紹介してきましたが、ほとんどは「食器」と「キャットフード」を変えることで解決します。
ここでは、食器選びのポイントやキャットフードの対策についてまとめました。
あわせて、習性や性格が関係している場合の対策についてもご紹介します。
1.食器を変える
食器が食べにくい、ヒゲ疲れが原因の場合は食器を変えるだけで食べこぼしが改善する場合があります。
ネコさんにとって食べやすい食器は次のような特徴があります。
- 深さが3〜5cm程度
- 高さ5〜8cm程度(台を使っても良い)
- 広さは顔よりもひと周り大きい(ヒゲが当たらない)
- ドライフードが真ん中に集まる構造
- ある程度の重さがあって安定感がある
弊社「まんまボウル」も食べこぼし防止には効果的です。フードが真ん中に集まる形状で、返しがついているため食べやすくこぼれにくいつくりになっています。
2.キャットフードを変える
ネコさんは、キャットフードの粒の大きさや形が合わなくても食べこぼしの原因になることがあります。少し面倒ではありますが、いろいろな大きさ、かたち、硬さのフードを試して愛猫にあったものを見つけてあげましょう。
高齢のネコさんで硬いごはんが食べにくいようでしたらウェットフードにする、ドライフードをふやかすといった方法もおすすめです。
子猫の場合は、食べるのに慣れていないため食べこぼしてしまうことがあります。しばらく、様子を見ても良いかもしれません。
3.食べこぼしても良い環境にする
食べこぼしの原因に習性や性格が関わっている場合は、食べこぼしをなくすのは難しいと思われます。
できることは、お皿の下にトレイを置く、トイレシーツを敷くなどでネコさんが食べこぼしたフードを簡単に片づけられるように工夫をしておくくらいでしょう。
食べこぼしは愛猫が食べやすい環境をつくることで解決
ネコさんが食べこぼしをする原因はいろいろ。歯肉炎や歯周病といった口腔内のトラブルの可能性もあれば、使っている食器やフードの食べにくさのせいの場合もよくあります。
愛猫が食べこぼしをして困っているのであれば、まずその原因を把握して、適切な対策をおこないましょう。
たとえば、口腔内のトラブルなら動物病院で診てもらう、食器やフードが原因なら愛猫に合ったものに変えるなどすれば食べこぼしは減るはずです。
それで改善できない場合もありますが、そんなときはネコさんが食べこぼしても問題がないように工夫すればOKです。
いずれにしても、大事なのはネコさんが快適に食事を楽しめる環境を整えてあげること。その点をお忘れなく!