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猫アレルギーって言われちゃった…。もう、ネコさんとは暮らせないの?


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猫アレルギーを治すにはどうしたらいいの?

「猫アレルギーだけどネコさんと暮らしたい!」そんなふうに思っている猫好きさんも多いのではないでしょうか?とくに、ネコさんと暮らしはじめてから猫アレルギーが発覚した場合は、簡単に手放すこともできないでしょうし、かなり切実な悩みだと思います。

でも、安心してくださいね。対策次第では、猫アレルギーでもネコさんといっしょに暮らすことができるかもしれません。

では、具体的にはどのような対策があるのでしょうか?詳しくご紹介していきます。

(猫アレルギーの程度にもよります。ネコさんと暮らす際は、かならず主治医にご相談ください)

猫アレルギーになるとなにが起きる?どうしたら治る?

猫アレルギーの子ども

人の5人に1人が猫アレルギーだと言われています。さらに、猫アレルギーは犬アレルギーよりも2倍起きやすいとも。つまり、家族の誰かが猫アレルギーかもしれないのです。

猫アレルギーは、飼いはじめてすぐに判明する場合もあれば、しばらく経ってから症状が出ることもあるので油断できません。

では、猫アレルギーになるとどのような症状がおこるのでしょうか?また、どのような治療法があるのでしょうか?

猫アレルギーの原因は猫から出る「Fel d1」などのアレルゲン

猫アレルギーはネコさんの毛やフケ、唾液、おしっこなどに含まれるアレルゲン(アレルギーの原因物質)によって引き起こされる症状です。

現在、猫アレルギーのアレルゲンは「Fel d1(フェル ディー ワン)」から「Fel d8(フェル ディー エイト)」までの8種類が確認されています。その代表格とされるのが「Fel d1」で、唾液腺や皮脂腺などから分泌されるタンパク質の一種です。

これらのアレルゲンを取り込んだときに体の免疫系が過剰に反応するせいでさまざまなアレルギー症状がでます。

花粉症や風邪に似た症状が目や鼻、喉などに出る

猫アレルギーでは次のような症状が見られます。

  • 目のかゆみや充血
  • 鼻水や鼻づまり咳
  • くしゃみ
  • 喉の炎症

花粉症や軽い風邪の症状と似ていると言われています。風邪との違いは発熱がないこと、目の症状があることです。

人によってはアレルゲンに触れた直後に顔や舌がむくんだり、赤いぽつぽつができてかゆくなるなどの皮膚症状を起こす場合もあります。重度になると下痢や嘔吐、呼吸の苦しさ、心拍数の増加が見られます。また、喘息を引き起こすと命にかかわる可能性もあります。

ずっと一定の症状のままの人もいますが、徐々に症状が重くなっていく人もいるので、軽いからと油断はできません。

猫アレルギーの症状は花粉症と区別しづらいため、気になるなら受診して血液検査を受けることをおすすめします。

基本は対症療法のみで根本的な治療法はない

現時点では、猫アレルギーの根治は不可能です。出ている症状を緩和する対症療法が基本となります。内科、耳鼻科、皮膚科、アレルギー科の医師と相談して適切な薬を処方してもらうようにしましょう。

くしゃみやかゆみには抗ヒスタミン薬、喘息症状には気管支拡張薬が処方されることが多いようです。ほかにステロイド剤や点鼻薬などが処方されることもあります。

海外では、アレルゲンを少しずつ体内に取り込んで慣らしていく減感作療法が注目されています。治療期間が長いのが難点ですが、うまくいくと薬を飲みつづける必要がなくなるので、今後に期待したいところです。

また、「Fel d1」の放出量を減らす効果のあるワクチンを猫に接種する方法も研究が進んでいます。

近い将来、猫アレルギーでも安心してネコさんと暮らせるようになるかもしれませんね。

猫アレルギーでも猫を飼うための対策は?

あごの下をなでられている猫

猫アレルギーに気づいたのは、ネコさんと暮らしはじめてからという飼い主さんも多いようです。アレルギーのいちばんの対策はアレルゲンを遠ざけることですから、本来ならばネコさんを遠ざけるのがベストなのです。

しかし、ネコさんも家族の一員です。アレルギーだからと追い出すわけにもいきません。そのため、猫アレルギーへの対策をしながら飼いつづけることを選ぶ人も多いのです。

猫アレルギーの人がネコさんといっしょに暮らしていくためにはどのようなことに注意したらよいのでしょうか。

猫アレルギーとの付き合い方について、いくつかご紹介していきます。

猫のケアでアレルゲンの発散を減らす

「Fel d1」は唾液腺や皮脂腺から分泌され、あたりにまき散らされます。その発散を抑えればアレルギー症状も抑えられます。

入念なブラッシングでアレルゲンの飛散を防ぐ

おすすめなのは週に2〜3回のブラッシングです。抜け毛を取り去るだけでも発散される「Fel d1」を減らす効果があります。

猫アレルギーの人がブラッシングする場合はマスクを着用して、終わったら入浴をします(着替えるだけでも効果があります)。また、ブラッシングするときは洗いやすい服を選ぶようにしましょう。

とくに、ウールのセーターなどは繊維に「Fel d1」がからみついて落ちにくくなるため、着ているだけで症状が出る可能性があります。ブラッシングの際には避けるべきです。

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シャンプーはあまり効果がない?

猫をシャンプーするのが効果的と思っている人も多いようですが、実はあまり効果は期待できません。一時的には「Fel d1」の発散量が減りますが、数日でもとに戻ってしまうというのです。

ネコさんは体が濡れることを嫌がりますし、入浴が大きなストレスになることもあります。数日で効果がなくなってしまうことを考えると、シャンプーをするのは良い対策だとは思えません。

むしろ、濡らしたタオルで拭いて、被毛に付着した「Fel d1」を減らすほうが効果が期待できるようです。

住環境を工夫してアレルゲンのない部屋をつくる

お座りしている猫

猫アレルギー対策として、ネコさんが入らない部屋をつくるのもおすすめです。アレルゲンの少ない場所を用意しておくのです。

ネコさんを入れないようにするのはもちろん、ネコさんが触れたものなどもできるだけ持ち込まないようにします。

目、鼻、喉に出る症状は不快で安眠をさまたげるので、とくに寝室には入れないことをおすすめします。

また、アレルゲンは布製品に付着しやすいため、カーテンを洗っただけで室内のアレルゲンが7分の1になったというデータもあります。

アレルギーの軽減には以下の対策も効果的です。

  • カーテンを拭きやすいブラインドに替える
  • ソファーは布張りではなく、合皮製などにする
  • 畳は避け、カーペットやラグは敷かない
  • 寝具類は頻繁に洗濯する

このほかにも、猫アレルギー対策では掃除も重要です。「Fel d1」はとてもサイズが小さくて軽く、飛び散ると長期間空気中を漂うため注意が必要です。普通の掃除機では排気口から漏れ出てしまうため拭き掃除が効果的です。

HEPAフィルターを使った空気清浄機や掃除機を購入する

微細粒子まで捕集できるHEPAフィルターを使った空気清浄機やエアコン、掃除機などを導入することも検討しましょう。

HEPAフィルターとは

HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターは、JIS規格で『定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター』と規定されています。サイズの小さな「Fel d1」もしっかり捕集してくれます。

性能の落ちるフィルターだと、吸い込んだ「Fel d1」をまき散らしてしまう可能性がありますので、空気清浄機やエアコンなどはHEPAフィルターを使っているものが安心です。

室内の空気中の「Fel d1」を減らすことができれば、その部屋の中では猫アレルギーの症状は出にくくなります。

空気清浄機でおすすめなのがこちら。
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Airdog(エアドッグ)

Airdogは独自の「TPAフィルター」を搭載していて洗浄可能で再利用できるため、HEPAフィルターのような交換が不要です。

猫アレルギーが出にくい猫種を選ぶ

海外のデータによれば、以下の猫種は猫アレルギーが起こりにくいとされています。

  • サイベリアン
  • バリニーズ
  • ロシアンブルー
  • オリエンタルショートヘア
  • コーニッシュレックス
  • デボンレックス
  • スフィンクス
サイベリアン
写真はアレルギーが起こりにくいと言われているサイベリアン

よく知られているのは、サイベリアン、バリニーズ、ロシアンブルーといった猫種でしょうか。これらの猫種は、猫アレルギーのおもな原因である「Fel d1」の産出量が少ないというデータがあります。実際、アメリカでは猫アレルギーが出にくいという理由でサイベリアンを飼っている人が多いらしいです。

また、オリエンタルショートヘア、コーニッシュレックス、デボンレックス、スフィンクスなどは抜け毛が少ないために「Fel d1」の飛散量も少ないと考えられます。

ただし、このあたりの情報はきちんとした裏付けがないとも言われているので鵜呑みにはできません。サイベリアンの「Fel d1」の産出量についても4匹調べたうちの1匹が低かったというだけです。科学的根拠と呼ぶには不十分すぎるでしょう。

長毛種よりも短毛種のほうがアレルギーが出にくいとか、オスよりもメスのほうが「Fel d1」の産出量が少ないらしいといった情報もあります。ただし、去勢手術をおこなうことで産出量を減らすことができるようです。また、加齢によって「Fel d1」の産出量が減る可能性も指摘されています。

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編集部でも成猫よりも子猫の唾液の方がアレルギー反応が出ると言う人がいます

アレルゲンの発散量は個体差がありますし、アレルギーの症状にも個人差があります。

風説を信じて痛い目にあう可能性もあるので、ネコさんのためにもぜひ慎重に、とお願いしたいところです。

キャットフードで猫アレルギーを改善できるかも

キャットフードと猫の影

キャットフードで猫アレルギーを改善できるかも知れません。

ネスレから発売されているキャットフード「ピュリナ プロプラン リブクリア」は、「Fel d1」の産出量を減らす効果のあるキャットフードとして注目されています。

このフードを食べさせると給与開始から3週間で被毛とフケに付着している「Fel d1」が平均で47%減少したそうです。アレルゲンの量が半分近くまで減れば、猫アレルギーの人にとっては症状が軽くなることが期待できます。

減り方には個体差があるので症状が出なくなるという保証はありませんが、試してみる価値はあるでしょう。

入念に対策すれば猫アレルギーでも猫と暮らせる

猫アレルギーでも対策をしっかりとおこなえばネコさんと暮らすことはできます。

  • 週2〜3回ブラッシングをする
  • 濡れタオルでネコさんの体を拭く
  • ネコさんを入れない部屋をつくる(とくに寝室)
  • なるべく布製品を置かない
  • HEPAフィルターを使った空気清浄機や掃除機を使う
  • 拭き掃除をまめにおこなう
  • アレルギーの出にくい猫種を選ぶ

このほかには、猫アレルギー対応のキャットフードをあげるのも良いでしょう。ただし、フードに関しては、ネコさんの好みや飼い主さんのこだわりもあると思いますので、よく検討してくださいね。

これらを最初からすべて完璧にこなすのは大変だと思いますので、少しずつ対策を強化していきましょう。また、病院を受診しお薬を使うなど主治医と相談しながら対策していくことをおすすめします。