この記事の目次
フェザーカラー誕生物語
ネコと共同開発したエリザベスカラー
なるとさんが肛門嚢炎になりエリザベスカラー生活
2008年、当時はまだ仕入れたネコグッズを販売するというセレクトショップとしての経営を行っていました。そんなときに、飼い猫の<なるとさん>が肛門嚢炎になり術後の傷口をなめるようになってしまいました。
傷口が悪化し広がるので患部を舐めるのを止めさせるためエリザベスカラーを急遽、用意しケア生活をはじめました。傷口をなめることは、一見ネコの自然治癒の行為のように感じますが、実はざらざらした舌では逆に傷を悪化させてしまうケースが多いのです。
しかしながら、プラスチック製の硬くて重いエリザベスカラー生活は<なるとさん>には、とても負担になるようでした。なぜなら、0.75mmも厚さのある硬いプラスチック製のエリザベスカラーは固くて折り曲がらないからトイレにぶつかってしまったり、猫砂をブルドーザーのようにすくってしまうこともありました。
さらにエリザベスカラーは単2電池1.5本同じ約90gと重くて頭が下がった状態のまま、食事やトイレをしなければならず不自由な生活が2週間も続きました。
エリザベスカラーが邪魔になり自力ではお水もご飯も食べることができず、みるみる活動量が減っていきました。
肛門嚢炎の回復よりもエリザベスカラーで元気がなくなっていくのが心配な日々でした。
ネコに負担の少ないエリザベスカラー探し
(写真:硬いエリザベスカラーで活動量の減ってしまった、なるとさん)
「このままでは<なるとさん>がもっと大変な病気になってしまうかもしれない!」
という不安からネコに負担の少ないエリザベスカラーを探し回りました。
しかし、2009年当時は小型犬用サイズのエリザベスカラーをネコが代用するのが一般的でした。わたしが探した限りではネコ専用のエリザベスカラーを見つけられなかったのが現実でした。
犬は猫と比べ鼻先が長いので犬用エリザベスカラーが高過ぎて形状一つとってもネコには負担が大きかったです。まるで下敷きのような商品全体が硬いプラスチック製で首にあたると、ぶつかったときの衝撃に驚いたり痛かったり首を動かすことができません。
無いなら作ろう!ネコ専用のエリザベスカラー
その当時のわたしの会社は他社商品の仕入れ販売のみで、商品開発をしようと考えたことはありませんでしたが、飼い猫がこのような状況になり、私と同じように困っているネコと飼い主さんがいるに違いないと思い、ネコに負担の少ないネコ専用のエリザベスカラーの開発をゼロからはじめました。それが2009年の話です。
なるとさんに使ってもらいたいエリザベスカラーを考える
<なるとさん>が一番困っていたのは硬いこと。
「患部は保護しつつも柔らかく、出来れば軽いもの。素材は何が良いのか?プラスチックは硬いからネコに優しい素材にしたい。首周りは柔らかくないとネコが可哀想だから布が良いかな?でも、汚れたらお手入れが大変そう。水を弾くナイロンが良いのかでもゴワゴワして嫌がるかもしれない。エリザベスカラーのカタチは本当に楕円形がベストなのか?既成概念を外すため常識を疑うことからはじめました。もしかしたら浮き輪型や人間がむち打ちとかしたときに首に巻くサポーターみたいなものの方がネコに負担が少ない?花びら型のものにしてサイズにあわせて花びら部分が取り外しできてサイズ調整する?」など、アイデアをいくつも出しました。
開発のゴールとする猫専用の商品開発コンセプトは
【ネコが着けているのを忘れるくらい負担の少ないエリザベスカラー】。
鳥の羽根みたいに柔らかく軽い事がイメージにありました。自由気ままないつもと変わらない生活、お昼寝もして欲しい。ネコの骨格にあわせた設計。
ネコにとってストレスフリーなエリザベスカラーを妥協せずに目指しました。
ネコ用エリザベスカラーの開発、終わりの見えない試作
脳内の試行錯誤を繰り返しながらやっと2010年7月に最初の試作品が出来ました。それは金具のボタン留め、首周りに負担が少ないかなぁと考えフェルトを施したものでした。
エリザベスカラー最初の試作品フェルトと金具ボタン<なるとさん>に試してもらいましたが金具ボタンで留めるのはけっこう難しく、手間取っている間に時間がかかり、猫が嫌がって逃げたり、ボタンに毛を挟んでしまったり、“バチンッ“という音に驚いたりと問題点が多数見つかりました。
重くて首周りも痛そうで猫も不機嫌ネコで使用感の確認をしたところ、重くて首周りも痛そうで<なるとさん>もストレスを感じていました。
掲げていたコンセプトには程遠く活動量は改善せずネコの負担になっていました。
金具を使っているため重く、硬いから首周りの可動域が制限されていました。
試作をしてわかったことですが一つのものに色々な機能を組み込んでしまったため複雑な仕様になってしまいパーツが増え重くなってしまいました。パーツが多くなればなるほど重量が増える、汚れが溜まりにくいなどの問題点が浮き彫りになりました。
浮き輪型、首に巻くサポーターのようなもの、花びら型も患部を保護することはできましたが、衛生面と重さをクリアすること軽量化の実現が出来ませんでした。
そのため逆の発想をして出来るだけシンプルな構造にして不必要なパーツは使わないようにすることで軽量化を目指しました。結果、遠回りはしましたが振り出しにもどり楕円形がベストであると判断しました。
ネコ専用とは言うもののオスとメスでは骨格の大きさが異なるため、ネコ用フリーサイズに適応する首周り・顔まわりのサイズ出しをネコ社員の協力のもと行いました。
開発をつづけること1年3ヶ月ようやく完成
試作品製作とネコテストの往復を20回くらい繰り返し1年3ヶ月ようやく納得できる第一号の猫専用のエリザベスカラーが完成しました。
商品は当初のコンセプトを分かりやすく説明するため『フェザーカラー』と名付けました。
試作品の改良を重ね、一番負担のかかる首周りに綿を採用し可動域を確保しました。また金具を使わない独自製法により重量も軽減され30gの軽量化を実現しました。
金具は留めるのが難しくネコのストレスになるためマジックテープを用いることにしました。
通常のマジックテープと特殊なマジックテープ毛の絡まり方の比較通常のマジックテープは猫の毛が絡まると使えなくなるため凸凹がない特殊なマジックテープを採用し毛の絡まりを解消しました。
幅自体も課題で、マジックテープが幅広だとそれだけ重くなり、またネコにゴワゴワと違和感を与えてしまう可能性がありました。幅が狭すぎると接着面が減少し動きの激しいネコなどでは外れる可能性もありました。
ネコモニターテストと試作を何度も繰り返し、ちょうどいい塩梅を探り当て幅を決めました。
エリザベスカラーのカタチが出来上がりました。
本体全面の素材選びにあたってもさまざまなテストを行いました。
汚れ防止のため撥水機能は欲しいもののゴワゴワした生地だと猫の負担になってしまいます。このカタチで良いのか?これがベストなのか?何パターンもカタチを試作してはネコでテストを行いました。
ネコ人生に必要なフェザーカラー
フェザーカラーは去勢避妊手術やケガや病気などの一時的な使用を想定してましたが、販売開始後に分かったことは、アレルギーや癌などにより一生エリザベスカラーが必要なネコさんが数多くいることでした。
今までは仕入れて販売する事がメインで、商品を0から作るという経験はなかったため、途中で何度も商品開発を断念しそうになりましたが、最初の想いどおりに開発をつづけ約2年の月日を要し、15回の試作と改良を経てついに完成した軽くて柔らかいネコ専用のエリザベスカラー!
フェザーカラーとして2011年10月から販売を開始しました。
その結果、多くのお客さまから支持をいただき沢山の感謝の声を頂戴しました。
このフェザーカラーの開発が「『ネコ目線のものづくり』でネコの困ったを解決します」という現在のブランドコンセプトの原点になったと同時に、その後の自社の社会的役割を自覚するきっかけになりました。
[お客さまの感想]
うちのコは今年に多頭飼育崩壊現場(酷いブリーダーに飼われていた)から保護されたオス猫の推定7歳のコなのですが常に尿漏れがあり(生まれつきなのか、酷い栄養不足の環境で筋肉がちゃんと培われなかったのか・・・原因はわかりません)、お股部分がひどい尿やけで舐めすぎ→化膿してばい菌が入る→さらに気になって股舐め・・・と繰り返していたので病院へ行きました。
そこで尿漏れは治らないといわれ、生涯エリカラ付帯の生活を余儀なくされてしまったばかりで固く重いエリカラをつけてる姿をみて本当に胸がしめつけられる思いでした。そこでもっといいカラーがないかずっと探していたところ、こちらのカラーに行き着いたのですがこの軽さにまずびっくりして着けてみて柔らかいのにキチンと役目を果たしていたのに感動しました!
着けたときのこの子の嬉しそうな顔も忘れません!柔らかいので夜中に寝ているところ顔を押してけてきてもごっつんこしません!本当に泣きそうなくらい嬉しかったです。
今度病院に行ったら先生に自慢しようと思ってます^^(宣伝も)これからの猫人生このカラー無くしては生きていけないこの子や、きっとほかにもこのカラーで救われる子がたくさんいます。
ほんとにありがとうございました。助かりました。
発売後も商品改良は続く
商品発売開始後もお客さまの声やご要望に耳を傾け改良を進めています。それがネコにとってより使いやすい商品への進化につながっています。直接お客さまの声をお聞きして改良した回数はついに30回を数えました。まさにお客さまと一緒に作り続けているのがフェザーカラーなのです。
NOT THE END~nekozukiのエリザベスカラーは永遠に未完成です~
これからもお客さんの声によって育てられて、より良い商品になっていくからです。
硬いエリザベスカラーで不自由な生活でお困りの方へ
硬いエリザベスカラーは室内の家具にぶつかり身動きもお昼寝も出来ず心配
柔らかいから食事も爪研ぎもトイレもお昼寝も普段どおりの快適生活
フェザーカラー3つの工夫ポイント
- 180度に曲げられるくらい柔らかい
- ご飯もトイレも爪とぎもいつもどおり
- NOガツンッ。ぶつかっても痛くない。
「エリザベスカラーを着けたらネコの活動量が減る」問題を解決。
最高クラスに柔らかい「フェザーカラー」を開発しました。
なるとさんと一緒に開発した
最高クラスに柔らかいフェザーカラー >商品を見る
猫社員<ぽんちゃん>がおもちゃで遊ぶ様子nekozukiのフェザーカラーなら着けたまま、こんな風に動くこともジャンプして遊ぶことも出来ます。