ネコさんにおむつをつけているけれど、ものすごく嫌がる…
おむつをつけてもすぐにズレてしまう!何かいい方法はないかな?
ネコさんの高齢化によって、“介護が必要な老猫”の数も増えてきています。
ネコさんとの慣れないおむつ生活の中で、お悩みを抱えている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、ネコさんがおむつを嫌がる理由や嫌がるときの対策、ズレや漏れを防ぐ正しいおむつのつけ方などについて詳しく解説していきます。
あまり情報が少ないネコさんのおむつ事情を、この記事で解消していただけたらうれしいです。
・ネコさんがおむつを嫌がってしまう
・ちゃんと履かせたはずなのに、おむつがズレやすく困っている
・なぜかいつもおむつから排せつ物が漏れてしまう
・猫用おむつの選び方が知りたい
・ネコさんの正しいおむつのつけ方が知りたい
この記事の目次
老猫がおむつを嫌がる理由は?
ネコさんがおむつを嫌がるのには、きちんと理由があります。
ここでは、ネコさんがおむつを嫌がる理由として考えられるものを3つ挙げました。
まずは、なぜネコさんがおむつを嫌がるのか、その理由を理解していきましょう。
サイズが合っていない
胴回りや足回り、しっぽの穴といった、おむつによって圧迫される部分がきつすぎないか、もしくは緩すぎないかを確認してみてください。
例えば「漏れないように」とサイズの小さいおむつをつけていたり、きつく締めていたりすると、ネコさんにとっては不快さが増し、よりおむつを嫌がる原因になっていることもあります。適切なサイズのおむつを選び、正しい手順でつけてあげることが大切です。
猫用につくられたおむつの種類は、それほど多くはありません。
無理に猫用おむつを使う必要はありませんので、犬用や人間の赤ちゃん用などいろいろな種類のおむつを試してサイズの合ったものをつけてあげてください。
おむつのつけ方が負担になっている
元々服を着る習慣がないネコさんは、体に何かが密着しているだけで動きづらさを感じたり、肌におむつが当たっている感触が気になったりします。そのためおむつ自体がストレスになり、嫌がるネコさんは多いです。
また、おむつをつけるときにしっぽを触られるのが嫌だったり、ネコさんの体の状態によっては着用時に痛みがあったりということもあるかもしれません。
「正しいおむつのつけ方ができているか?」といったことも確認してみましょう。
炎症を起こしている
いわゆる「おむつかぶれ」は、ネコさんにも起きます。
皮膚が赤くなっていたり、ただれていたりするようなときは痛みを感じるため、おむつを嫌がっている可能性もあります。
おむつかぶれの原因もさまざまです。長時間おむつをつけている、おむつのサイズが合っておらず動くたびに擦れてしまう、排せつ物の刺激により肌が弱っているなどの原因が考えられます。
おむつが当たる部分の皮膚の状態をチェックして、炎症を起こしているようであれば獣医さんに相談のもと、適切なケアをしてあげてください。
老猫がおむつを嫌がるときの対策
「ネコさんにとっては、おむつをすること自体がストレス」とはいえ、介護が必要になったネコさんなど日常生活におむつが必須になった場合には、なんとかしておむつに慣れてもらわなければなりません。
ネコさんがおむつを嫌がる理由を飼い主さんが理解したうえで、できる限りの対策をしてみましょう。
以下、1つずつ解説していきます。
なるべく猫のストレスを除外する
おむつによるストレスには、以下のような原因が考えられます。
・おむつのサイズが合っていない
・動いているうちにズレてしまう
・おむつ替えが苦手
・しっぽ穴がきつい
・しっぽ穴の位置が合っていない
・おむつのニオイが苦手 などなど……
ネコさんがおむつを嫌がるとき、まず見直してほしいのは「おむつのサイズ」と「おむつの装着方法」です。サイズが大きすぎても小さすぎても、ネコさんにとっては違和感があり動きづらくなります。
動きが活発なネコさんだと、思うように動けないことは大きなストレスとなるでしょう。
おむつのつけ方がネコさんの負担になっていないか?というのも重要なポイントです。
しっぽをおむつの穴に通すときにしっぽを引っ張ったり、足やお尻を無理やりあげて負担をかけたりといったことがあると、ネコさんはおむつ替えそのものが嫌いになってしまいます。
その他、ストレスの原因となるものはネコさんによってさまざまです。
ネコさんの特性や好みなどは、長年一緒に暮らしている飼い主さんがよく理解しているかと思います。ネコさんの性格から、ストレスの原因になりそうなものがわかれば除外してあげましょう。
この記事ではおむつの選び方と正しい装着方法について、専門家にうかがったポイントを記載しています。
少しずつ慣らしてあげる
いきなり1日中おむつとなると、ネコさんのストレスも大きくなります。
できれば最初は夜間だけなど、短時間の使用から少しずつ慣らしてあげると、ネコさんの負担も軽減されるでしょう。
おむつをしていない時間帯は、飼い主さんが片付けなどの負担もあるかと思いますが、慣れてくれるまでの辛抱です。無理なく、少しずつ進めていきましょう。
定期的におむつを交換する
「定期的なおむつ交換」は、おむつかぶれを防ぐためにも大切なことです。
また、長時間同じおむつをつけているとムレの原因にもなり、おむつの中で発生したムレがネコさんの不快感にもつながります。
可能な限り、朝・昼・晩の3回に加え、就寝時にも替えてあげるのが理想です。
最低でも1日2回は必ず、おむつを交換してあげましょう。
おむつのズレや漏れが起こる原因は?
ネコさんのおむつ生活の中で、おむつのズレや排せつ物の漏れに悩まされている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
まず、おむつがズレる原因は大きくわけて2つあります。
1.おむつを嫌がって脱ごうとする場合
2.サイズが合っておらず、動いているうちにズレる場合それぞれ原因を詳しく見ていきましょう。
1.おむつを嫌がって脱ごうとする
おむつを嫌がって脱ごうとする→おむつがズレて排せつ物が漏れるといった悪循環に悩まされている飼い主さんは多いかもしれません。
まずはネコさんが嫌がって脱ごうとする原因を探り、なるべく快適な環境をつくってあげることが大切です。
ネコさんがおむつを嫌がる理由について主に考えられるものを上述しましたが、必ずいずれかに当てはまるということもなく、まったく別の理由で嫌がっている可能性もあります。
ネコさんの状態をよく観察したうえで、嫌がる原因に対して適切なケアをしてあげてくださいね。
2.サイズが合っておらず、動いているうちにズレる
特に嫌がって脱ぐような様子はなくても、サイズが大きすぎる、または小さすぎても、動いているうちにおむつがズレてしまうことがあります。
ネコさんのウエストは、後ろ足の付け根部分を目安に測ったうえで適切なサイズのおむつを選ぶことが大切です。
もしくはサイズは合っていても、つけ方が原因でズレやすくなっていることもあるでしょう。
漏れの原因は?
漏れの原因には、おむつのズレによるもの、ネコさんの動きが激しいこと、寝たきり状態による横漏れ、正しく装着できていないことなど、さまざまな理由が挙げられます。
例えば片足マヒ、骨折の子などは、脊椎損傷で神経が繋がらないために排せつのコントロールができません。しかし3本足、2本足の状態であっても、運動量は多いもの。気がつけばオムツが外れて、部屋中汚れてしまうなんてこともあります。
せっかくおむつをつけているのに漏れてしまうと、あまり意味がありませんよね。
漏れにお困りの飼い主さんは、「なぜ漏れるのか?」の原因を探り、対策を講じるとよいでしょう。
サイズも合っているし正しいつけ方ができているけれど、やっぱり漏れてしまう…
そんなネコさんへのおすすめは「おむつカバー」の着用です。
ネコさんと飼い主さんの負担も少なく、漏れ対策ができます。
おむつのズレや漏れを軽減するおすすめ商品「ねこずきのおむつカバー」
ネコさんのおむつの「ズレ」や「漏れ」にお困りの飼い主さんへ。
nekozukiでは、おむつネコさんのズレ・漏れ対策に、「ねこずきのおむつカバー」を開発しました。
つけ方はおむつと同じ要領です。
ネコさんの体にあわせた設計で、簡単につけることができます。
幅広のマジックテープを採用。着用はもちろん、サイズ調整もカンタンです。
子猫からシニア猫まで、幅広い層のおむつネコさんに使っていただけるように設計しています。
・万が一おむつから漏れてもカバーが受け止めてくれる
・漏れの心配がないので安心して外出ができる(受診時など)
・美観上もよい
「ねこずきのおむつカバー」は、実際におむつ生活で「漏れ」にお困りの飼い主さんの声をもとに開発した製品です。
市販の猫用おむつカバーは、ゆるすぎてフィットしにくい点や素材が薄い点に課題があると感じました。ねこずきのおむつカバーは、ネコさんの体に合わせたつくりでぴったりフィットするように考えて作っています。
足回りはストレッチを効かせているので、カバーをつけたままジャンプもしやすいです。元気に動きたいネコさんのストレスを少しでも軽減できるような設計にしました。
猫用おむつカバーの種類は少ないため、おむつカバーに関しては手作りを推奨されることもしばしば。愛猫のために作ってあげたいのは山々だけれど、裁縫が苦手……という飼い主さんにとってもおすすめの商品です。
ねこずきのおむつカバー
ネコの体に合わせた設計だから動きやすい。表は軽量で丈夫な撥水生地、裏は通気性の良いメッシュで、漏れ防止と快適さを両立。
詳細はこちら
【専門家監修】老猫のおむつの選び方と上手なおむつのつけ方
おむつのズレ・漏れ対策として、まずは正しいおむつの選び方とおむつの上手なつけ方をご紹介します。
今回は、「動物いのちの会いわて」代表・下机都美子さんに伝授していただきました。
下机さんは24年(※2024年時点)にわたる動物愛護活動の中で、これまでに約6,000頭のネコさんのお世話をしてきた「猫のお母さん」のような方です。
現在も多数のおむつネコさんを抱えています。
これまで「なんとなくおむつを選んでつけていた」という飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
おむつの選び方
ネコさんのおむつ選びで重要なポイントは以下の3つです。
特に適切なサイズ選びは、快適なおむつ生活のためにも必須です。
必ずネコさんの胴回りを測ってあげて、ぴったりサイズのおむつを選びましょう。
おむつにはテープタイプとパンツタイプの2種類があります。
パンツタイプは履かせやすい一方で、脱げやすいといったデメリットがあります。私のこれまでの経験から、テープタイプのおむつのほうが使いやすいと感じています。
特に、老猫で寝たままおむつ替えをする場合や抱っこでおむつ替えをしたほうがラクな場合には、テープタイプのおむつが便利です。
おすすめの猫用おむつについては、以下のインタビューにて記載しています。ぜひご覧ください!
おむつの装着方法
次に、おむつのつけ方について解説します。
おむつ着用モデルにご協力いただいたのは、動物いのちの会いわてのミッシェルちゃんです。
ミッシェルちゃん、ありがとうございます!
さっそくおむつ装着の手順を見ていきましょう。
手順1.おむつのギャザーを立てる
手順2.テープ側がお腹に来るように、しっぽ穴にしっぽを通す
手順3.おむつを整えながら、ウエストの位置でテープをとめる
手順4.最後に足回り、胴回り、しっぽ穴のチェックを忘れずに。
きつそうな部分がないか、動きを妨げていないかなどを確認してあげてください。
※おむつカバーを着用する場合は、おむつをつけたあと同じ要領でしっぽからつけていきます。
【専門家からのアドバイス】
動きがいい子は、抱っこしておむつ替えを行うとよいです。下半身不随の子は寝かせたままおむつ替えをするのがよいでしょう。
どの子も食事前がいいですね。嫌がる子を無理に動かしておむつをつけようとすると、興奮して吐き戻しの原因にもなりかねません。
【専門家インタビュー】老猫のおむつ事情
他のネコさんはどんな理由でおむつをつけているのだろう?
ネコさんのおむつ選びはどんなことに注意したらいいのかな?
高齢猫が増加傾向にあり、介護が必要なネコさんの割合も多くなってきています。
とはいえ、おむつ生活をしているシニア猫さんと飼い主さんの生の声はなかなか聞く機会がありません。
そこで今回は、動物保護団体で多数のおむつネコさんを抱えている、「動物いのちの会いわて」代表・下机都美子さんに、老猫のおむつ事情について教えてもらいました。
なにか一つでも、おむつ生活のお悩みを抱えている飼い主さんの参考になれば幸いです。
Q1.どのような理由でおむつを使っているネコさんがいますか?
病気や事故などで下半身不随になったネコさんや、排尿・排便が上手にできなくなった高齢ネコさんがいます。おむつは夜間のみ、使っています。
Q2.おむつを選ぶときは、どのような点に注意したらよいですか?
おむつ本来の目的は、排せつ物を漏らさないためかと思います。しっぽの穴が大きすぎて便が漏れ出してしまったり、サイズが大きすぎておむつが外れやすかったりすると、ネコさんにはもちろんですが、飼い主さんにとっても大きな負担となるでしょう。
おむつがフィットしていないとネコさんにとっても動きにくくストレスになるので、サイズには特に注意してあげてください。
また、おむつをつけているとどうしてもムレやすく、炎症を起こす原因にもなります。
そのため、通気性にも配慮した素材の製品を使うのが理想的です。
Q3.おすすめの猫用おむつがあれば教えてください。
これまでさまざまな製品を試してきました。その結果、人間の赤ちゃん用おむつが最適であると考えています。
デリケートな赤ちゃん向けにつくられたおむつは大変優秀で、ムレにくさに関しては圧倒的な高品質です。
しかし人間用なので、当然しっぽの穴はありません。飼い主さんがしっぽの穴を開ける必要がありますが、その分ネコさんの体格に合わせて、しっぽ穴のサイズを自由に決めることができます。
しっぽまわりをフィットさせやすいため、便漏れや尿漏れの心配が少ないのも大きな利点です。吸収量が多く、価格が安いといったメリットもあります。
しかし1つだけ欠点があります。製品によっては、しっぽ穴の切り込み部分から吸収ポリマーがこぼれやすくなっています。
吸収ポリマーがこぼれにくい製品を選ぶか、吸収ポリマーがこぼれないようにしっぽに合わせて、小さくハサミで十字に切込みを入れるなどの工夫をするとよいです。
Q4.犬用おむつはネコさんにつけてもいいものなのでしょうか?また、犬用おむつ特有の注意すべき点があれば教えてください。
もちろん、犬用おむつの代用もできます。しかし犬用ですとしっぽの穴が大きすぎる、位置が合わない、幅が足りないということが多くあります。なかなかぴったりのサイズを見つけるのは難しいかもしれません。
また犬よりも猫のほうが動きが激しく、身体に柔軟性があるため、おむつが外れやすいといった特徴も挙げられます。犬用おむつと猫用おむつの違いを理解したうえで、特に問題がなければ犬用おむつを使ってもよいでしょう。
だいたい、女の子用のSSぐらいが子猫用のサイズになります。
Q5.おむつをつけ始めるタイミングについて教えてください。
ネコさんの状態にもよるかと思います。例えば緊急レスキューで、大けがや術後であれば退院と同時に使わざるを得ません。
他には、認知症や寝たきり、事故や病気での下半身不随などが原因で、トイレが間に合わなくなったり、排せつのコントロールができなくなったりしてきたらおむつを検討するとよいでしょう。
よい製品があれば、夜間だけの使用など、短い時間から始めます。
慣れないうちは気にして「外したい」と一所懸命にもがきますが、そのうち慣れてくれます。
まとめ
ネコさんがおむつを嫌がる理由は、主に以下の3つが挙げられます。
- サイズが合っていない
- おむつのつけ方が負担になっている
- 炎症を起こしている
対策として最も大切なポイントは、正しいサイズのおむつを選ぶことと、正しい方法で着用することです。
おむつをつけること自体がネコさんにとってはストレスになるので、ネコさんの状態をよく観察して、なるべくストレスの原因となるものは除外してあげてください。
おすすめは「人間の赤ちゃん用おむつ」です。しっぽ穴を開ける必要はありますが、サイズ展開が豊富である点、通気性がよい点、しっぽ穴の調整がしやすい点、コスパがよい点などが高評価です。
おむつのズレ・漏れ対策にはおむつカバーの装着がおすすめです。
「ねこずきのおむつカバー」は、ネコさんの負担を軽減できるように考えて設計しました。ぜひ手にとってみてください。
おむつ生活を送るネコさんと飼い主さんが、少しでも快適に過ごせるお手伝いができたらうれしく思います。