ネコさんの食器に漂白剤って使えるの?使い方は?
漂白剤の安全性は?使うときに注意することってあるのかしら
ネコさんの食器って漂白してもいいの?という疑問をお持ちの飼い主さんは意外と多いようです。それだけ、衛生面にも気をつかっているということですよね。
結論から言えば、ネコさんの食器にも漂白剤を使用することはできます。ただし、陶器の食器など使用を推奨できないものもありますので注意しましょう。
そこで、今回は漂白剤の種類による違いから、ネコさんの食器の漂白のやり方、注意点などをご紹介していきます。
この記事の目次
漂白剤には塩素系と酸素系があるけどなにが違う?
市販の漂白剤には、大きく分けてハイターに代表される塩素系漂白剤とまろやかな効果の酸素系漂白剤の2種類があります。それぞれどのような漂白剤で、用途にはどんな違いがあるのでしょうか?
塩素系漂白剤について
塩素系の漂白剤は強い漂白力、除菌力、消臭力が特徴です。
- シミ取り
- 漂白
- カビ取り
- 食器・まな板・ふきんの除菌
このように、さまざまな用途で使うことのできる塩素系漂白剤ですが、陶器、メラミン食器、金属、漆器などには使えません。また、漂白力が強いため、色柄もののふきんに使うこともできません。
陶器は、ネコさんの食器でも使われることの多い素材ですが、表面に小さな穴が開いているため漂白剤が染みこんでしまう可能性があります。そのため、漂白剤の使用はさけるのが賢明です。
塩素系漂白剤は強い薬剤なので取り扱いに注意が必要です。漂白の際にはゴム手袋を使うようにしましょう。万が一皮膚に付いてしまった場合は、表面が溶けてひりひりしてしまいます。すぐに漂白剤を洗い流すようにしてください。
また、熱湯を使うと塩素ガスが発生しやすくなるため大変危険です。塩素系漂白剤を溶かす際は、水またはぬるま湯を使うようにします。
酸素系漂白剤について
塩素系漂白剤と比べると効果は劣りますが、繊維を傷めることもなく、色柄ものにも使えるのが特徴です。劣るといっても、家庭で使うには十分な効果が得られます。
- シミ取り
- 漂白
- 除菌
- 消臭
塩素系漂白剤との大きな違いは、色柄ものやメラミン食器にも使えることです。また、傷つきやすいホーロー鍋にも使うことができます。
酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤のような強い刺激臭はしませんが、使用時には換気をするようにしましょう。
猫の食器を漂白する方法と手順
ネコさんの食器を漂白する際も基本的には人間の食器を漂白するのと同じ手順でおこないます。
ステップ1:漂白剤を溶かす
- 塩素系:水またはぬるま湯を使用(熱湯を使用すると塩素ガスが発生する)
- 酸素系:40〜50度のぬるま湯を使用
食器をつけ置きするための薬液を作ります。塩素系と酸素系では推奨される水の温度が異なるので注意しましょう。
濃度は使用する商品に記載されている説明文をご確認ください。
ステップ2:食器を浸す
薄めた薬液に食器全体が沈むように浸します。
塩素系と酸素系ではつけ置き時間が異なるので注意しましょう。
- 塩素系:除菌の場合は2分、漂白は30分
- 酸素系:20〜30分
ステップ3:水洗い
薬液が残らないように流水でしっかりと洗い流します。もし、においが気になる場合は、食器用洗剤をつけて洗い直すとよいでしょう。
塩素系漂白剤を使う際の注意点
塩素系も酸素系もネコさんの食器の漂白に使用することができますが、注意点もあります。とくに、塩素系漂白剤は気をつけなければいけません。
ここでは、漂白時の注意点、注意するべきネコさんの症状、舐めてしまったときの対応についてご紹介します。
猫を近づけない・換気を徹底する
塩素系の漂白剤や洗剤はとても刺激が強いため、換気やマスクの着用がすすめられています。塩素を大量に吸い込むと人間でも喉の不調、咳、体調不良をおこします。
人間よりも体の小さなネコさんには、さらに刺激が強いことが容易に想像できます。
しかも、ネコさんは塩素のにおいが大好きなので自ら近寄っていきます。しっかりと対策をしたうえで作業をする必要があるでしょう。漂白中はネコさんにほかの部屋で待機してもらう、ネコさんが入れない部屋で作業するのがおすすめです。
また、作業中は換気扇を回したり、窓を開けたりしてしっかりと換気をしてください。
こんな症状が見られたら要注意
ネコさんが漂白剤のにおいを嗅いだり、塩素のガスを吸い込んだり、舐めたりすると大変危険です。
- 呼吸が速くなる
- 呼吸困難
- 咳
- マタタビをあたえたときのような行動
ネコさんは、塩素系漂白剤のにおいをかぐとマタタビをあたえたときのように、ゴロンゴロンと転がったり興奮状態になることがあります。はっきりした理由はわかっていませんが、塩素系漂白剤にはマタタビと同じ成分、もしくは似た効果のある成分が含まれているのではないかと言われています。
- 口や皮膚のただれ
- 胃腸や皮膚の炎症
- よだれ
- 嘔吐・吐血
- 涙が出る・眼が充血する
ネコさんが漂白剤を舐めたあとに上記の症状が見られたら早急に動物病院を受診してください。また、直接舐めていなくても、使用中や使用後に体調の変化が見られる場合も獣医師に相談することをおすすめします。
もしも猫が漂白剤を舐めてしまったら
ネコさんが誤って漂白剤を舐めてしまった場合は次のような応急処置を行ないます。可能であれば、応急処置を進めながら、動物病院に連絡をし指示を仰ぐと安心です。
- 口の中をシャワーで10分ほど洗う(可能な場合)
- 水を飲ませる
- 牛乳また乳製品を摂取させる
シャワーで口の中を洗い流すことをすすめている獣医師もいらっしゃいますが、ほとんどのネコさんには難しいと思います。嫌がる場合は無理におこなわず、スポイトなどを使用して水を飲ませるのが良いでしょう。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品は消化管に被膜をつくり、漂白剤の吸収を妨げる効果があるため、あたえることが推奨されています。ネコさんは乳製品で下痢をすることがあるので、水で薄めてあげると良いようです。
これらは、あくまでも症状を軽くするための応急処置です。応急処置後は、早急に動物病院を受診してください。
除菌が目的なら熱湯・煮沸消毒もあり
漂白剤も使用方法を守り、しっかりと洗い流すことでネコさんの食器にも使うことができます。しかし、それでもやっぱり安全性が気になるという場合は、除菌が目的なら熱湯消毒や煮沸消毒でも良いでしょう。
熱湯消毒はお湯をかけるだけなので、殺菌効果は低めです。そのため、毎日のお手入れとして熱湯消毒をおこない、週に1〜2回煮沸消毒をおこなうのがおすすめです。
煮沸消毒では、沸騰したお湯に食器をつけて、沸騰がつづくくらいの火加減で5分ほど加熱します。
熱湯消毒も煮沸消毒も熱湯を使用するため、食器の耐熱温度が100度以上であることを確認してからおこなってください。
傷がつきにくい「まんまボウル」でいつも清潔!
ネコさんの食べやすさや素材の安全性を追求した「まんまボウル」は、手前が低い斜めの形状なので顔が入れやすく、ヒゲがあたりにくいのが特徴のネコ専用の食器です。
さらに、傷つきにくく、吸水性ゼロの磁器を使用しているため雑菌の繁殖も許しません。また、吸水性のある陶器とは違い、水分を吸収しないため漂白剤や洗剤が残ることもありません。そのため、漂白剤を使用した漂白や除菌も安心しておこなうことができ、衛生面でもおすすめです。
サイズは、SMLの3種類をご用意しています。
作業中は猫を近づけないように
ネコさんの食器も人間同様に漂白剤を使っても大丈夫です。ただし、注意点がいくつかあります。
- 漂白剤の成分をしっかりと洗い流す
- 陶器は漂白剤が染みこむ可能性があるので使わない
- 漂白中は換気を徹底する、近づけない
- においを嗅いだり、舐めたりしないようにする
ネコさんは塩素のにおいが大好きなので、作業をする際は部屋に入れないように対策をすることをおすすめします。
また、換気扇を回す、窓を全開にするなど徹底した換気をおこなうようにしましょう。