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猫砂選びの参考に。猫砂比較実験
「飼い猫にとってどんな猫砂が安心なのか分からない」というお悩みの声を耳にします。
日本国内で販売されている主原料の異なる猫砂、数種類を『猫砂が体内に入る可能性』という独自のチェックポイントで比較実験してみました。
猫砂は食べ物ではありませんが日常的に体内に入る可能性が非常に高い物質です。
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体内への入り方としては下記2つが主要因です。
- なめる(トイレ後に足裏をなめる)
- 吸引する(猫砂のほこりを吸引する)
今回の実験のゴール
- 肉球にはさまりやすい猫砂ほど体内に吸収されていきます。そのためトイレの後のはさまりやすさまで実験しました。
- 添加物の危険性の検証
それでは実験スタート!
実験で使用した猫砂と明記されている原料
猫砂の粒の形状
1.ベントナイト(粘土鉱物)
2.おから(植物)
直径4mmくらい1cm大の細長い粒です。コーンスターチで固めていると思われます。
3.再生パルプ(紙)
紙が主原料で触ると少し、ふかふか、直径5mmくらい色付きの粒は吸水性ポリマーだと思われます。植物性粘着剤で固めていると思われます。
4.シリカゲル(化学物質)
5mm大の丸い粒で触ると少し白くざらざらします。赤や青の粒はおそらく消臭剤か抗菌剤だと思われます。
5.おがくず(木)
直径5mm、丸に近い形状で1cmくらいの細長い粒です。木屑を固めるために糊剤が使われていると思われます。
6.木(無添加)のチップ(木)
直径5mmくらい細長い粒です。粉状ではなく木の繊維が残っている状態から適正な熱を加えることにより、糊材なしでチップ状に形作られます。
実験の方法
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- 水分吸収・固まる
水分吸収は猫の尿量は体重1kgあたり30〜40mlと言われています。尿に見立てた40mLの水を入れた直後の様子です。
固まり具合は容器を傾け猫砂の固まり具合を確認。固まった部分を取りだしました。
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- ほこり立ち
ほこりの様子が見えるよう黒いボードを背面に設置。
約20cmの高さから猫砂を落下させました。
1.固まる実験
1.ベントナイト(粘土鉱物)
カチカチに固まりました。ガッチリ強力に固まり容器から落ちません。まるでセメントのようです。固まった部分も吸水直後は出来たの粘土、泥みたいな様子でネコが踏んだら崩れます。
2.おから(食物)
主原料以外に含まれているコーンスターチ効果か固まりました。固まった部分も吸水直後はネコが踏んだら崩れます。
3.再生パルプ(紙)
主原料以外に含まれている植物性粘着剤の効果か固まりました。固まった部分も吸水直後はネコが踏んだら崩れます。
4.シリカゲル(化学物質)
5.おがくず(木質)
主原料以外に含まれている糊剤の効果か固まりました。固まった部分も吸水直後はネコが踏んだら崩れます。
6.木(無添加)のチップ(木質)
2.ほこり立ちの実験
猫砂をかいたときに粉が舞わないか実験しました。
背面に黒いボードを設置し、粉が見えやすくしています。
1.ベントナイト(粘土鉱物)
砂のようにホコリが立ちます。容易に吸ってしまうことが想像できます。
2.おから(食物)
コーンスターチが使われているためか、そんなにほこり立ちはありません。
3.再生パルプ(紙)
粘着剤が使われているためか、そんなにほこり立ちはありません。
4.シリカゲル(化学物質)
粒の形状からは想像出来ませんでしたが、けっこうほこり立ちしました。
5.おがくず(木質)
粘着剤が使われているためか、そんなにほこり立ちはありません。
6.木(無添加)のチップ(木質)
粘着剤を使用していないため、ややほこり立ちがあります。
実験結果まとめ
2つのチェックポイントによる比較実験の結果。
- なめる(トイレ後に足裏をなめる)
- 吸引する(猫砂のほこりを吸引する)
固まる猫砂は糊剤や粘着剤が使われているため完全乾燥する前はネコが踏んだだけでカンタンに崩れて肉球に入りやすくネコが舐めてしまい体内に入る可能性が高いです。
粒の形状でわかったこと
成型するために粘着剤を使用している猫砂が多かったです。猫の体には安全性が低いと感じました。植物性粘着剤は主にでんぷんのりが使われておりますが長期保存時には防腐剤や抗菌剤が必要となります。
1、ベントナイト(鉱物)
肉球をなめたときにネコの体内に入り固まりそうで安全ではないと思いました。
固まる特性を活かし、捨てやすいため、ベントナイトは、猫砂としても一般的に使用されています。ベントナイトの猫砂を使用していたネコが体調を崩し開腹手術をしたところ胃袋全体にベントナイトの猫砂が体内で固まり、こびりついていた事例がありました。
固まる猫砂は胃袋の中でも固まります。トイレ後に足裏を舐めるネコ、猫砂交換時の飼い主の健康にも影響があるのではないでしょうか。
※ベントナイトとは鉱物を主成分とする粘土で、固まる・膨潤性・粘性・吸着性を活かし工業、建設業で幅広く利用されています。
水分を与えるとかっちり固まります。
砂の飛散とほこりたちが激しかったです。猫砂交換時に飼い主がほこりを吸い込む可能性もあります。
ベントナイトで固まった猫砂の様子
固まる猫砂と無添加の猫砂の様子の比較画像です。
写真:ベントナイト固まった猫砂の塊
写真:無添加で固まらない猫砂
固まらない猫砂は、トイレ後の砂かけが思う存分できそうです。
2、おから(食物)
食物から出来ているから良さそうに思えますが、おからの他に添加されている炭酸カルシウム、コーンスターチ、他が気になりました。
3、再生パルプ(紙)
再生パルプから出来ているから良いなぁと思いつつ、紙の他に添加されている吸水性ポリマー、植物性粘着剤。水色、赤色が何なのかが気になりました。植物性粘着剤は主にでんぷんのりが使われておりますが長期保存時には防腐剤や抗菌剤が必要となります。
4、シリカゲル(化学物質)
手でシリカゲルを触っていたら指が乾燥してきました。猫の肉球も乾燥するのかもしれません。乾燥剤にも使用されるシリカゲルは食べてはいけませんと明記されていることが多いです。当然、ネコの体にも悪い影響が有ると予測されます。
シリカゲル (化学物質)が水分を吸収する様子
ぱちぱちという音、水分を吸収後に猫砂が器から飛んでいき驚きました。
5、おがくず(木質)
自然素材で出来ているから良いなぁと思いつつ、おかくずの他に添加されている糊剤、香料が気になりました。ネコはヒトと違い香料などを代謝できず、体内にどんどん蓄積し香料アロマの種類によってはある日、中毒症状をおこすこともあります。
6、木(無添加)(木質)
ネコの体への負担を考えると自然界に存在する木だけで作られたものを選びたいです。
木(無添加)のチップ(木)が水分を吸収し膨らむ様子。
乾燥している猫砂に水分が入りどんどん膨らみまるで生きているみたいです。
飼い主目線で選ぶ、うちのネコに使いたいおすすめの猫砂
猫に安心して使える猫砂とは?
化学物質を使っていない猫砂です。
木そのままを、ぎゅっぎゅっと固めたとてもシンプルな猫砂です。
トイレのあとに猫が足を舐めてしまうことに不安を感じ開発しました。
固まる成分や抗菌・香料などを使っていないから、足を舐めてしまっても安心です。
また、固まる成分を含まないため、オシッコをした部分が崩れ落ちます。
すのこタイプのシステムトイレと併用をおすすめします。
粉が舞わない猫砂は?
ほこり立ちの実験の結果、ベントナイトやシリカゲルは粉が舞ってしまいます。
おから、再生パルプ、木のおがくずはほこり立ちはありません。
ナチュラルな素材でできた木系の猫砂は、添加物を使っていないため多少の粉じんが見られました。